Daily Mirrorの緘黙記事

2012年03月21日(水曜日)

英国の大衆紙 Daily Mirror に、場面緘黙症を主題とした記事が出ました。3月15日(木)の記事 "My eight-year-old daughter has never spoken a word at school" です(電子版で確認)。

その内容は、場面緘黙症を、実例と専門家の解説を交えながら概説するという、この種の記事としてはオーソドックスなものです。緘黙を知らない人に分かりやすく解説した記事と見られます。こうした記事が出てくるということは、英国においても緘黙がまだ十分に認知されていないのでしょう。英国には緘黙の有力な支援団体がありますし、大手メディアでも緘黙が取り上げられることがあるのですが、なかなか難しいものです。

こうした実例を挙げながらの記事は、専門家の介入により緘黙症状が改善したという希望のある話に展開することも多いのですが、今回の記事は必ずしもそうではありません。これに関連して、緘黙の子が支援を受ける環境が英国においても十分に整っていないという趣旨の指摘が挿入されており、このため、この記事を読んでもあまり元気にはなれないものの、緘黙支援の現状について考えさせられます。

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ところで先日、私は Twitter でこの記事へのリンクを貼り、「英国の場面緘黙症支援団体のLindsay Whittington氏は、緘黙の問題は8歳までに取り組まないと克服はtoughになるという見解を示している」と書きました。これはWhittington氏の発言の一部を抜き出して紹介したにすぎないもので、その旨お断りしておきます。

なお、"tough"という英単語は、よく「難しい」「困難だ」と訳されます。ですが、日本語で言う「難しい」「困難だ」には不可能を意味することがあるのに対して、英語の "tough" はそのあたりどうなのだろうかと思います。同様の英単語に "difficult" がありますが、これは単に難易度が高いということを意味するもので、不可能という含意はありません。

何にしろ、早期介入は重要そうです。

[文献]

◇ My eight-year-old daughter has never spoken a word at school. (2012, March 15). Mirror Online. Retrieved from
http://www.mirror.co.uk/news/real-life-stories/my-daughter-has-never-spoken-a-word-at-school-761678