[緘黙] 続・意中の先生と接触する [ストーリー]

2012年12月03日(月曜日)

このブログでは、私の来し方を振り返り、連載形式で書き続けています。今回は大学生編の第9回です。通算第91話をお届けします。

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大学2年の前期、私は変わらず大学に通い続けていました。

S先生の講義にも出席を続けていました。S先生は、この大学に長年勤務されている男性教授でした。私の意中の先生で、私としては、大学2年後期から始まるプロゼミ(ゼミの入門版)は、この先生のところに入りたいところでした。

そこで先日、私はこの先生の研究室にお邪魔したのですが、何も話せず、先生のお話を長時間聞くだけに終わってしまいました(前回の話参照)。先生のご迷惑にならなかったでしょうか。また、変な学生と思われなかったでしょうか。

■ 先生に誘われる

ある日、S先生の講義が終わった後のことです。講義室の最前列の席あたりで、例の大阪弁の男子学生が友人たちと談笑していたところ、S先生が彼らを研究室に誘われていました。学業の話というよりはむしろ、単に学生と交流を深めようということのようでした。そしてS先生は続けて、「そこの彼も連れて行きなさい」と告げました。「そこの彼」とは、教壇のすぐ前、同じように最前列に座っていた私でした。

意中の先生に誘われてしまった!私は少し興奮しましたが、それにしてもなぜ誘われたのだろうとも思いました。もしかすると、前回S先生の前では何も話せなかったので、先生としてはもう一度私と会う機会を設けて、私のことを知ろうとされたのではないかと私は推し量りました。

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■ 研究室へ

研究室では、S先生を中心に学生たちの談笑が始まりました。勉強の話というよりはむしろ、プロ野球やサッカーなど、それ以外の話が多かったです。

私は何も話せず、みんなの話を聞くだけしかできませんでした。緘黙?が完全には克服できなかったため話ができなかったというのはもちろんですが、それだけではありませんでした。話の呼吸の合わせ方が分からないとか、話題についていけないとか、そういった極端な内気以外の問題で話ができないところも大きいのだということを痛感しました。これは、緘黙?がある程度改善したこの段階になったからこそ感じたことだろうと思います。もしかするとこれも、長年人と話をせずに生きてきたため、会話の技術が何も磨かれなかったからではないかとも思いました。

■ 和食のお店へ

研究室でのおしゃべりが終わった後、ちょうどお昼になったので、先生のおごりで、大学近くの和食のお店に行くことになりました。先生の行きつけのお店らしいです。

ここでも私はろくに話せなかったばかりか、食事中にポロポロとものをこぼしてしまうという失態をしてしまいました。もともと私は手先が器用な方ではないのですが、加えて、慣れない人と外食をすると固くなってしまい、やたらとものをこぼしてしまう癖があります。子どもでもあるまいし、実に情けない限りです。あと、私は緊張していたため、とにかく公の場で恥をかいてはいけないという意識が非常に強くなってしまい、まずはお味噌汁をすするとか、食事のマナーにいつも以上に敏感になっていたのですが、周囲の学生たちは特にそうしたことにこだわらず、リラックスした様子で好きな物から食べたりしていました。

食事後、会計を済ませ、先生にお礼を言って解散しました。みな楽しそうに先生と談笑していたのですが、私は終始ガチガチで何も話せずに終わってしまいました。こんなに緊張したのは、意中の先生だからというだけではないでしょう。

■ その後

こうした実に情けない次第でしたが、その後、選抜を経て、私はS先生のプロゼミに入ることになりました。前々から先生のもとに尋ねたことが、やる気があると評価され、選抜に通った一因となったようです。例の大阪弁の男子学生もS先生のプロゼミに入っていました。

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