[続・緘黙] 数百人の前で、2回も模擬面接 [ストーリー]

2013年08月13日(火曜日)

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このブログでは、私の来し方を振り返り、連載形式で書き続けています。今回は大学生編の第14回です。通算第96話をお届けします。

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大学4年の頃、就職担当だった学生係の職員(学部の事務職員)から、思わぬ話を持ちかけられました。

「今度、学部で就職ガイダンスをする。この中で、就職支援会社の方とうちの学生が、皆の前で採用面接の模擬面接をする予定だ。この模擬面接に出てもらう学生を3人探しているのだが、きみ、出てはもらえないか」

何百人もいる経済学部4年生の中で、よりによって、私のような、おそらく学部一の引っ込み思案にこんな話を持ちかけるとは。なぜ私が声を掛けられたのかはよく分かりませんが、思うに、その職員が4年生を探していたところ、たまたま私がそこにいたからでしょう。偶然とは恐ろしいものです。結局、私は模擬面接に出ることになりました。私のほかに選ばれたのは、同じゼミの関西弁の学生と、全く面識のない女子学生でした。

当日の就職ガイダンスには非常に多くの学部学生が出席し、階段状の講義室を所狭しと埋め尽くしていました。出席率は知りませんか、ざっと数百人はいたはずです。こんなに多くの学生の前で、少し前まで場面緘黙症?だった私が就職支援会社の人と模擬面接をしなければならないのです。しかも私は3人の中でもトップバッターに選ばれてしまいました。

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壇上に上がり、就職支援会社の人と対面した私は、もうガチガチです。「そんなに硬くならないで」というようなことを言われたと思います。私を見ている大勢の学生から、どっと笑いが沸きます。

模擬面接は、声を出してお話をすることができました。おそらく私が発した声のボリュームは大きくはなかっただろうと思うのですが、ピンマイクをつけていたのであまり関係はなかったことでしょう。

模擬面接では硬さや私自身の未熟さなどもあって何度も恥をかき、最後は「身命を賭してでも」というすごい発言までして数百人の聴衆を何度も笑い転がせてしまい、緊迫した就職ガイダンスの雰囲気を思いっきりぶち壊してしまったのですが、なんとか終わりました。

私の後に模擬面接をした学生2人はごく普通でした。おかげで、私の異常ぶりが際立ってしまいました。「これは学生係の人選ミスだ。私のような学部一の引っ込み思案にこんなことさせるなんて」と内心、責任転嫁をしましたが、引っ込み思案や面接恐怖症のようなものがあった私にとっては、まあよい経験だったのかもしれません。

■ もう一度模擬面接

この後、学部とは別に、大学が全学部生を対象とした就職ガイダンスを開き、私を含む希望者数百人が出席したことがあります。大学が開いた模擬面接とあってか、TV局が取材に来ていました。

例によって、私は最前列に座り、就職支援会社の方のお話を聴いていました。同じゼミ生の関西弁の学生も同様でした。

ここでもまた模擬面接が行われることになりました。前回の学部のものとは違い、予告無しでした。

「誰か2人、ここで皆の前で模擬面接したいという学生はいませんか」

例の関西弁の学生は私をチラチラ見ながら、「はい!」と手を挙げました(彼はすごい学生です)。私は彼との対抗意識から、また、引っ込み思案や面接恐怖症を克服したいという強い思いから、続けて挙手しました。ずいぶんと思い切ったことをしたものです。これにより、私は再び数百人の学生の前で模擬面接をすることになりました。今回も大変緊張しましたが、なんとか終わりました。

こんなことで引っ込み思案や面接恐怖症を克服することはできませんでしたが、それにしてもよくやったものだと思います。(続く)

※ 冒頭の写真の男性は、私ではありません。大川竜弥さんという方で、 自称「日本一インターネットで顔写真が使われている男」だそうです。PCでご覧の方へ。

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◇ [続・緘黙] お世話になったS先生 [ストーリー]