緘黙症シンポがダイヤモンド・オンラインに

2013年09月06日(金曜日)

アイキャッチ画像。メガネの位置を直す女性。モデルは北野佑々さん。
9月1日に「緘黙症シンポジウム」が明星大学日野キャンパスで開かれたのですが(日本特殊教育学会の自主シンポ)、その報告が、ビジネス誌『週刊ダイヤモンド』で知られるダイヤモンド社の情報サイト『ダイヤモンド・オンライン』に掲載されました。

掲載日は9月5日(木)です。同サイトの連載『「引きこもり」するオトナたち』の中に掲載されました。この連載は以前、大人の緘黙症を取り上げたことがあります。今回の記事はまた、BIGLOBE や goo といったポータルサイトでも紹介されたのを確認しています。

↓ その記事へのリンクです。新しいウィンドウが開きます。
大人になっても友人なし、家族とも全く話せない わが子の緘黙(かんもく)症に悩む親の苦しみ

こうした一般の情報サイトで緘黙が取り上げられると、緘黙の認知向上につながるでしょう(もっとも、今回の記事をきっかけに「緘黙」等と検索してうちのサイトを訪問したと見られる方が、アクセス解析を見る限りほとんどいないのですが……)。また、シンポジウムに関心はあったけれども行けなかったという人にとってはありがたい記事です。

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ただ、一点、細かいところですが、4ページ目の「海外では20年ほど前から研究が進んでいて、『社会的な状況で話せない』緘黙症の背景にあるのは『不安障害』との捉え方が一般的になってきているという」という箇所。間違ったことは書いていないのですが、解釈に注意を要するところかもしれません。

海外の緘黙研究の歴史は今から80年前、1930年代に遡ることができます(一谷ら、1973)。 その後も研究が続いていたのですが、今から21年前の1992年に、Elective mutism as a variant of social phobia という研究が発表されたあたりから、緘黙は不安障害との捉え方が欧米を中心に広まり、さらに研究が進みました。ですから、海外で研究が始まったのが20年前というわけではありません(記事の筆者もそのつもりで書いたのではないでしょうけれども、解釈に注意!)。

なお、日本でも1950年代から研究が出ていて、高木四郎氏の「口をきかない子供」(1951年)、 内山喜久雄氏の「小児緘黙症に関する研究」(1959年)などがありました。細かいことですが、 「何でも病気にする最近の傾向」などと言われたくないので、緘黙研究の歴史は決して浅くはないことを敢えて指摘しておきます。

[蛇足]

PC版ブログの右サイドバーに、「ひとこと」欄と「緘黙ニュース」欄を新しく作ってみました。

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[文献]

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◇ 一谷彊、津田浩一、西尾博、岡村憲一(1973)「場面緘黙症の研究(I) -形成要因と心理機制について- 」『京都教育大学紀要』1-28。なお、この論文は、京都教育大学学術研究リポジトリより無料でダウンロードできます。海外の初期の緘黙研究史についてよくまとめた箇所があります。
http://ir.kyokyo-u.ac.jp/dspace/handle/123456789/2988新しいウィンドウで開く

◇ Black, B. and Uhde, T.W. (1992). Elective mutism as a variant of social phobia. Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry, 31(6), 1090-1094.

◇ 高木四郎(1951)「口をきかない子供-事例研究その2」『児童心理と精神衛生』1(5)、332-335、342。

◇ 内山喜久雄(1959)「小児緘黙症に関する研究 -第1報 発現要因について- 」『北関東医学』9, 772-785.

◇ 内山喜久雄(1959)「小児緘黙症に関する研究-第 2報 治療方法について-」『北関東医学』9, 786-799.

[関連ページ]

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