[続・緘黙] ネットで場面緘黙症を知る [ストーリー]

2013年10月06日(日曜日)

アイキャッチ画像。ノートパソコンと筆記用具。写真素材サイトPAKUTASOより。
このブログでは、私の来し方を振り返り、連載形式で書き続けています。通算第98話をお届けします。

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大学は4年で卒業できたのですが、その後の就職先が決まらなかった私は、自宅にひきこもりがちの生活を送っていました。

この頃、私が一番考えていたことは自分自身のことでした。もはや手遅れかもしれませんが、自分を見つめ直し、問題点を洗い出すことにより、社会参加への手がかりを何とかつかもうとしていたのです。色々と考えたのですが、自分の最大の問題と考えられたのは、やはり長年続く極端な引っ込み思案でした。これは私にとっては長い間取り組んできた古くて新しい問題でしたが、この頃には学業から解放されたこともあって、この問題をこれまで以上に見つめ直しました。

その中で、インターネット上の情報も参考にしました。自宅でインターネットができる環境が、この頃には既に整っていたのです。私は、自分は対人恐怖症の類ではないかと思い、検索エンジンでそうしたキーワードを検索していました。対人恐怖症だとしたら、どうすれば治せるのか。そうして実に様々なウェブサイトを見て回ったのですが、その中で、ついに「場面緘黙症」という用語を知るに至ったのです。

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■ ついに場面緘黙症を知る

「場面緘黙症」という用語をどのサイトで知ったのかは覚えていません。たしか緘黙専門のサイトではなく、対人恐怖など様々な心の問題を扱ったサイトだったのではないかと思います。

とにかく、そのサイトに書かれてあった緘黙に関する説明が、私が長年苦しんできた問題と極めてよく当てはまっていました。それまで私が読んできた心の問題に関する様々な障害や症状に関する説明は、どれも私が抱えてきた問題とはもう一つ当てはまらないものばかりだったのですが、場面緘黙症は本当によく当てはまっていました。これで緘黙に強い関心を持った私は、当時存在したウェブリング「緘黙の輪」を経由して、緘黙関係のサイトを次々回ってさらに情報を集めたのですが、やはりそれらのサイトに書かれてある緘黙の説明は、同様のものでした。

これで、長年の謎がようやく解けたという心境でした。私はきっと緘黙だったのだろうと、ほぼ確信しました。私が長年悩んでいた問題には名前があって、私と同じことで悩んできた人たちが他にもいることを、この年齢になって初めて知りました。それまで私は、自分ほど無口な人を見たことがなかったので、こんなのは世界でも自分一人だけではないかと思っていたのでした。この発見は、私にとっては人生最大のショッキングな出来事でした。人生観が変わるほどの発見でした。

きっと、私が大学卒業後スムーズに就職先が決まり、職場にも適応していたら、自分を見つめ直すこともなく、緘黙を知ることもなかっただろうと思います。

■ ネットで緘黙と関わり出す

ココロのひろば」「ふゆう」「ほほえむ」「ふわふわ、とん。」「この空をとべたら」など、当時まだ少なかった緘黙関係のサイトを見て回っていたところ、あるサイトに「初めて来た方は、必ずゲストブックに一言お願いします」という趣旨のことが書かれてあるのを見つけました。ゲストブック記帳とかキリ番報告とか、そうしたことが個人の「ホームページ」で行われていた時代です。内気な私は、それまで誰かのサイトにコメントを残したことなど、ほとんどあるいは全くなかったと思うのですが、「必ずゲストブックに」という決まり事なので、その通りにコメントを残しました。これをきっかけに、その個人サイトの掲示板に何度もコメントを残すようになります。これが、私がネットで緘黙と関わった最初です。

そのうち、私も個人サイトを持ってみようかと考え、そうすることにしました。そのサイトこそ、現在の場面緘黙症Journal ……ではありません。緘黙について触れてはいましたが、むしろ私自身を主題に置いたサイトで、タイトルも内容も全然違いました。ハンドルネームも、現在のものとは全く違うものでした。おおっぴらに公開もせず、「緘黙の輪」にも登録申請はしませんでした。当時はまだ引っ込み思案が強くて、自分が書いたことを多くの人に見てもらうという真似は、とてもではないのですが、できなかったのでした。(続く)

※ 2006年から長らくご愛顧をいただいた緘黙ストーリーは、いよいよ最終回間近です!

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