英国のメンタルヘルス啓発週間はどうだったか

2014年06月04日(水曜日)

アイキャッチ画像。
5月の場面緘黙症啓発月間の総括をしたいと思うのですが、現在なお Twitter で関連リツイートが活発に行われているため、まだ様子を見ています。

その前に、場面緘黙症啓発月間と偶然同じ時期に行われた、英国のメンタルヘルス財団(Mental Health Foundation)による、メンタルヘルス啓発週間(Mental Health Awareness Week)についてまとめておきたいと思います。開催期間は5月12~18日で、今年のテーマは緘黙とも関わりの深い「不安」でした。

同団体が啓発活動をどのように行ったのかを見ることにより、今後の緘黙の啓発にも役立つヒントが得られるかもしれません(本当はもう少し早くこの記事をまとめたかったのですが)。

この啓発週間では、主に次のような活動が行われました。

キャッチコピー、ロゴの作成


Are you anxiety aware? というキャッチコピーを作成し、啓発ポスター、ブックレットほか随所で用いました。また、このキャッチコピーの入ったロゴと見られるものもデザインしています。

ポスター、ブックレット、報告書の刊行


啓発週間に合わせて、不安に関する報告書、ポスター、ブックレットの作成、刊行を行い、啓発に役立てました。これらは公式サイトから無料でダウンロードできます。

◇ 公式サイト刊行物のページ
新しいウィンドウで開く

各地で啓発イベント開催を募る


メンタルヘルス啓発週間は英国でのみ行われるものとばかり私は思っていたのですが、厳密に言えば、米国、パキスタン、南アフリカ共和国、ナイジェリアでもこれに呼応する動きがありました(ただ、やはり英国が中心です)。

これらの国々で数多くの団体や人が、様々な啓発イベントを行いました。そのイベントの総数は270を超えます。なお、英国の緘黙支援団体 SMIRA(Selective Mutism Information & Research Association)は、これに参加してはいないようです。

◇ イベント情報ページ
新しいウィンドウで開く

大手メディアとの連携


啓発月間初日の5月12日頃、英国の大手メディアで、不安に関する啓発を促す話題が一斉に取り上げられました。主なところでは ITVDaily MailHuffington PostDaily Telegraph 等です。
* * * * * * * * * *

募金の呼び掛け


募金の専用ページを設けて、募金を行いました。寄付額の選択肢、寄付金の使い道が明確に示され、簡単な手続きで寄付ができるようになっています。

◇ 募金ページ
新しいウィンドウで開く

オンラインでのサポートの呼び掛け


Twibbon、Facebook プロフィール写真、ウェブサイト用バナーによる啓発の協力を呼びかけました。

◇ 専用ページ
新しいウィンドウで開く

Twibbon は、Twitter のプロフィール写真を部分的に編集して、着せ替えのようなことができるサービスです。このサービスを利用して、Twitter アイコンに #anxiety(日本語で「不安」の意味)の文字が入ったリボンを Twitter アイコンに加えて啓発に協力を呼びかけました。

↓ Twibbon 利用の具体例。
◇ http://twibbon.com/support/are-you-anxiety-aware
新しいウィンドウで開く

Facebook プロフィール写真やウェブサイト用バナーについては、公式サイトから啓発画像をダウンロードして、Facebook やウェブサイトでの利用を呼びかけました。

思うところ


不安がテーマだからといっても、その啓発活動に特別、緘黙の啓発活動に生かせそうなものがあるわけではありませんでした。他の啓発活動とあまり変わりはないのかもしれません。ただ、これはこれで参考になります。

英国を中心に世界で270もの関連イベントが催されたり、複数の大手メディアで関連記事が掲載されたりと、スケールが違います。確かに、ここまですると、啓発効果は高そうです。5月12日頃に大手メディアで一斉に記事になったというのも、戦略性を感じます。ただ、このようなことは、私たちにはなかなか真似できません。それに比べると Twibbon、Facebook プロフィール写真、ウェブサイト用バナーなどは比較的敷居が低いかもしれません。

Twibbon、Facebook プロフィール写真、ウェブサイト用バナーについては、啓発活動参加のための具体的な方法を示している点も興味深いです。ただ漠然と「みなさん、啓発にご協力お願いします」と呼びかけるだけでは、協力したくても何をすればよいか分からない人も出てくるでしょう。

キャッチコピーは面白いです。今年の場面緘黙症啓発月間でも何か考えればよかったです。

※ これとは別に、米国では、5月はメンタルヘルス啓発月間なんだそうです。