緘黙の海外絵本 Sophie's Story

2014年06月27日(金曜日)

アイキャッチ画像。写真素材サイト「モデルピース」より。モデルは藤浦真菜さん。
今回は Sophie's Story: A Guide to Selective Mutism という、場面緘黙症の絵本(洋書)についてです。関連書籍コーナーで紹介している本ですので、ここで少し詳しくお話したいと思います。

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この本は、発行地の米国でもあまり知られていないようです。2007年から発売を行っていた Amazon.com では、いまだに誰もレビューをしていません。こうした本には、私はかえって惹かれます。

基本情報


作者は Vera Joff 氏という方で、博士号を持つ米国の認定心理学者です。緘黙についても詳しく、米国最大の緘黙支援団体 Selective Mutism Group のメンバーでもあります。このほか、Monica Iachan 氏という方が編集を、Margaret Scott 氏という方がイラストを担当しています。

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ページ数はペーパーバック版だと24ページだそうで、絵本とあってそう長くはありません。

本書はもともと2007年に米国でペーパーバックが発売されたのですが、日本では扱われていない本でした。2014年5月に Kindle 化(電子書籍化)したことに伴い、初めて日本の書籍サイトから購入できるようになりました。現在のところ、Amazon.co.jp がこれを扱っています。

内容


絵本のストーリーは、緘黙少女 Sophie の視点から描かれたもので、緘黙児がどういうことを経験しているのか、どういうことに困っているのか、どういう思いをしているのかといったことが分かる内容です。専門家が、当事者の視点からフィクションのストーリーを書くのは興味深いです。

緘黙への理解を促す内容ですが、易しく、米国だと子どもから大人まで読めそうです(作者によると、子ども、親、教師を対象とした本だそうです)。日本人なら、高校卒業レベルの英文読解力があれば、読むことができるかもしれません。

巻末に、親と教師向けを対象に、緘黙児を支援する方法が少々(ペーパーバック版だと数ページほど?)まとめられています。

本書では、緘黙は社会的コミュニケーション不安障害(Social Communication Anxiety Disorder)と位置づけられ、緘黙児は単に学校で話すことに困難を抱えるだけでなく、家庭以外の場面で不安を抱えるとされていますが、これは、米国の有名な緘黙専門家 Elisa Shipon-Blum 氏と同じ考え方です。

感想


Sophie's Story: A Guide to Selective Mutismあまり知られていない本ですが、類書と比べてそれほど悪い本とは思えません。英語圏で緘黙を知らない人(特に子ども)に、緘黙のことを知ってもらうのに役立つ本の一つかもしれません。

緘黙を理解してもらうために「緘黙は、特定場面で長期間にわたって声が出ないもので……」と一般的な説明をするのも必要なことですが、このようにフィクション、ノンフィクション問わず、緘黙児・者の経験を伝えたり、実例を交えて伝えたりするのも分かりやすい方法だろうと思います。絵本といえば、日本にも『なっちゃんの声』があります。

私も、5月の場面緘黙症啓発月間では、自分が学校で話せなかった頃のことを適度な短さにまとめて、それを読んでもらうことにより緘黙の理解を促そうと考えたことがあります。ですが、私は緘黙の診断を受けていない「緘黙?」にすぎないので、やめておきました。

[関連ページ]

↓ 今回のアイキャッチ画像の女性、藤浦真菜さんのブログ。とても綺麗な方です。

◇ 藤浦真菜のManamanasブログ【モデル・藤浦真菜】新しいウィンドウで開く

藤浦さんの写真素材をこのブログで使うのはもう3度目です。「特選記事」でも1度使ったことがあります。偶然とか、流れとか、色々なことが重なって、気がつくと何度も使っていました。ここまでくると、「このモデルさん、もうすっかりお馴染みやわ~」と思われるぐらい繰り返し使ってみたくなってきます。