巡回相談で出会う緘黙児

2014年07月11日(金曜日)

アイキャッチ画像。

巡回相談員が緘黙児に出会う


「私は、時々、特別支援教育の巡回相談等で学校を訪問させていただくことがあるのですが、その中で、場面緘黙のお子さんに出会うことが良くあります」
吃音ポータルサイト内ブログ「ボビーのつぶやき」より

「うちに通ってきている子たちの中にも、巡回相談にいっている学校でも、ちょこちょこと出会う『場面緘黙』の子どもたち」
ブログ「先生が明日からできること」より

特別支援教育の巡回相談員が緘黙児と出会うことがあるようです。この他にも、「緘黙 巡回相談」などと検索すると、こうした話が見つかることがあります。緘黙児と「良く」「ちょこちょこと」出会う相談員は一般的なのか、例外的なのかは分からないのですが、専門的な知識や技能を持つ相談員が、こうして緘黙児と学校で出会っていることには注目したいです。

巡回相談とは何か


私は保育所、幼稚園、学校とは関わりがなく、子どももいないので、特別支援教育/保育の「巡回相談」は馴染みの薄い言葉なのですが、このブログをご覧の方はご存じでしょうか(もしかすると、詳しく知らないのは私だけかも……)。

そこで、私自身の勉強も兼ねて、巡回相談の理解に役立ちそうなページや PDF ファイルへのリンクをいくつか貼っておきます。なお、PDFを閲覧するには Acrobat Readerが必要です。Acrobat Readerはこちら (新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

↓ 文部科学省ホームページへのリンクです。全般的な解説があります。
◇ 特別支援教育について、巡回相談に関する内容
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↓ 論文。巡回相談に関するこれまでの研究が分かります。国立情報学研究所のサービス CiNii へのリンクです。PDF(1.55MB)。
◇ 鶴宏史(2012)「保育所・幼稚園における巡回相談に関する研究動向」『帝塚山大学現代生活学部紀要』8、113-126。
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↓ 論文。巡回相談の歴史が分かります。PDF(918KB)への直接リンク。
◇ 三山岳(2013)「障害児保育における巡回相談の歴史と今後の課題」『京都橘大学研究紀』39、135-156。
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↓ 論文。序盤に、急速に学校現場で広がる巡回相談と、その問題点について書かれてあります。CiNii へのリンク。PDF(776 KB)。
◇ 森正樹(2013)「特別支援教育における学校コンサルテーション技法の考察-小学校での校内研修の効果的活用方法に着目して-」『埼玉県立大学紀要』15、 79-87。
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上記の文科省ホームページによると、特別支援教育における巡回相談の目的は、「児童生徒一人一人のニーズを把握し、児童生徒が必要とする支援の内容と方法を明らかにするために、担任、特別支援教育コーディネーター、保護者など児童生徒の支援を実施する者の相談を受け、助言すること」です。また、鶴(2012)によると、特別支援保育/障害児保育においては、巡回相談とは「専門機関のスタッフが保育所を訪問して、子どもの保育所での生活を実際に見たうえで、それにそくして専門的な援助活動を行うこと」(浜谷ら、1990)という定義がよく引用されるそうです。

三山(2013)によれば、巡回相談は70年代に保育所や幼稚園で普及。その後、90年代以降の発達障害の認識の高まり、2007年に特別支援教育が全ての学校で開始されたことを背景に、学校現場に入って教員と相談活動を行う巡回相談が注目され、その積極的な活用が勧められることになったそうです。

巡回相談の実施状況は自治体によって違いがあるので、具体的な実施についてはお住まいの自治体の情報を調べるとよいだろうと思います。

緘黙児支援でも注目したい巡回相談


学校現場で急速に広がる巡回相談ですが、緘黙児支援でも注目したいです。緘黙は早期発見・介入が必要ですが、巡回相談をきっかけとして緘黙児に早期に適切な対応がとられることを期待します。 巡回相談員は助言を行う立場であることから、影響力がありそうです。相談員が緘黙児と出会うことが仮に本当に多いとすれば、なおさらそう思います。

また、相談員が適切な対応を行えるよう、緘黙児支援の研究成果がさらに蓄積され、相談員の間で浸透することにも期待したいです。最近では、冒頭のブログ記事のように巡回相談をされている方が『場面緘黙Q&A』を読んだり、他にも緘黙症シンポジウムに参加したりと、緘黙支援団体の活動が相談員の緘黙への理解に影響を与えていていそうで、このあたりも気になります。なんか色々偉そうなこと言って、すみません。