緘黙をモンスターとしてキャラクター化

2014年09月19日(金曜日)

アイキャッチ画像。リス。写真素材サイト PAKUTASO より。

緘黙がモンスターに


英国の Toby Allen さんというイラストレーターが、精神疾患をモンスターとしてキャラクター化する活動を行なっています。Real Monsters と題するシリーズです。

先日は場面緘黙症のモンスターを作成し、公開しました。学校などで話せないのは、このモンスターの仕業です。

○ 緘黙のモンスター (新しいウィンドウで開く

閲覧環境にもよるかもしれませんが、画像をクリックまたはタップすると拡大します。イラスト横の文章はモンスターの解説文ですが、これがまた面白いです(英語なんですけど……)。

それ以外の精神疾患のモンスターもあります。以下は、その例です。モンスターとあって、少しおどろおどろしいかもしれません。

○ 不安 (新しいウィンドウで開く
○ 社交不安 (新しいウィンドウで開く
○ 回避性人格障害 (新しいウィンドウで開く
○ うつ (新しいウィンドウで開く
○ 統合失調症 (新しいウィンドウで開く

※ 関連グッズ (新しいウィンドウで開く
※ これらモンスターを、Daniel J Wiley さんという方が立体化 (新しいウィンドウで開く

他の精神疾患のモンスターに比べると、緘黙のモンスターは少しかわいらしい感じがします。リスに少し似ているようにも思います。どんぐり(acorn)を持っていますし、しっぽが大きいからです。

なぜ精神疾患をモンスターにするのか?


Toby Allen さんの活動は英国の大衆紙 Daily Mail に取り上げられたことがあるのですが(電子版で確認)、それによると、この活動には次のような狙いがあるそうです(Innes, 2013)。

* 以下引用 *

「Toby Allen さんは、モンスターは精神疾患を軽んじる意図で作ったものではないと話している」
「Toby さんは、精神疾患に物理的な形を与えることにより、精神疾患をより克服可能なものに見せることを期待している。また、精神疾患にまつわるスティグマを減らすことを期待している」

(Toby Allen says the monsters are not meant to make light of the conditions)
(He hopes that by giving them a physical form, he will make them seem more beatable - also hopes they will reduce stigma around mental illness)


* 引用終わり *

モンスター化には他の効果もあると私は思います。精神疾患を罹患者と切り離して考えさせる効果です。例えば、緘黙の当事者の中には、緘黙を自分のアイデンティティとする人がいます。それもひとつの考えでしょうが、克服しようとするなら、もう少し緘黙と自分を切り離して考えるのもよいです。

Toby Allen さんについて


実は、Toby Allen さん自身も不安障害を持った方です。また、Charli’s Choicesという、緘黙をテーマとした海外の絵本でイラストを担当した方でもあります。この絵本については、以前このブログで取り上げています。

それにしても、この方のイラストは好きです。ポップでかわいくて、海外の方のデザインにしては、日本人の私にも馴染みやすく感じます。

[蛇足]

↓ 日本でも「認知の歪み」をキャラクター化したものがあり、ネット上で話題になりました。「社会不安障害と向き合う」さんの Twitter へのリンクです。
https://twitter.com/Living_With_SAD/status/433116253813604352 (新しいウィンドウで開く

[文献]

◇ Innes, E. (2013, October 9). The mental illness monsters: Artist visualizes what illnesses would look like if they were mythical creatures. Mail Online. http://www.dailymail.co.uk/health/article-2449864/Artist-Toby-Allen-imagines-mental-illness-monsters.html