世界10カ国の緘黙支援者らが…

2014年11月12日(水曜日)

アイキャッチ画像。写真素材サイト PAKUTASO より。
場面緘黙症の支援団体は海外にもあるのですが、中でも

○ Selective Mutism Group (SMG;米)
○ Selective Mutism Information & Research Association (SMIRA;英)
○ Mutismus Selbsthilfe Deutschland e.V.(独)

の三団体は有力で、私はこれらを「世界三大緘黙支援団体」と呼んでいます。

このうちドイツの団体は、Mutismus.de という緘黙専門誌を発行しています。先月発行された第12号は特別号で、ドイツを含む世界10カ国の緘黙支援者ら14名が寄稿する豪華な内容でした。この14名、なかなか錚々たる顔ぶれです。

※ 最新号のページへのリンク。雑誌の表紙には、10カ国の国旗が載っています。
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大半の寄稿者は欧州の支援者らで、日本の寄稿者はいません。

寄稿者14名を見ると、「おおっ!この方は、その国を代表する緘黙専門家の一人だ!!」とすぐ分かる方のお名前もあるのですが、全然知らない方のお名前もあります。私が不勉強だからです……。そこで、私自身の勉強も兼ねて、一人一人のお名前を挙げて、14名の支援者がどのような方か説明してみることにします。世界の支援者にも目を向けてみましょう。


Boris Hartmann 氏(ドイツ)


緘黙支援先進国ドイツを代表する緘黙専門家です。著書が何冊かあります。緘黙を専門としたスピーチセラピーの施設を運営されています。ドイツの緘黙支援団体の役員も勤務。

※ Boris Hartmann 氏によるスピーチセラピー施設のサイト
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Michael Lange 氏(ドイツ)


ドイツの緘黙支援団体の会長。私は同氏が共著した本を読んだことがあるのですが(2005年出版)、この方は10歳から37歳まで場面緘黙症で、今もなお発話を必要とする状況を避けているという意味のことが書かれてあり、驚きました。

※ ドイツの緘黙支援団体 Mutismus Selbsthilfe Deutschland e.V.のサイト
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Boris Hartmann 氏と Michael Lange 氏の共著。↓

Mutismus im Kindes-, Jugend- und Erwachsenenalter: Fuer Angehoerige, Betroffene sowie therapeutische und paedagogische Berufe>


Alice Sluckin 氏(イギリス)


アリス・スルーキン氏。世界三大緘黙支援団体の一つ(と私が呼んでいる)SMIRA の創設者であり、会長。大英帝国四等勲士(OBE)。緘黙支援のグランド・デイム(大御所)と呼ばれる大ベテランです。日本で翻訳された『場面緘黙へのアプローチ』(青いDVD付きの本)の共著者の一人でもあります。

※ SMIRA による Alice Sluckin 氏紹介ページ
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Barbara Oldakowska-Zylka 氏(ポーランド)


ポーランドの緘黙支援団体 Mówię の創設者、代表。セラピスト。ポーランド心理学会の会員。ヨーロッパメンター協会会長。

※ テレビ出演したBarbara Oldakowska-Zylka 氏
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※ ポーランドの緘黙支援団体 Mówię 公式ページ
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Jan Hammer 氏、Beate Oerbeck 氏(ノルウェー)


いずれもノルウェーの緘黙支援サイト mutisme.no とかかわりのある方のようです。Oerbeck 氏はオスロ大学病院の方で、緘黙に関する論文を共著者とともに何本か発表されています。

※ Beate Oerbeck 氏のページ(研究者向け SNS より)
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※ ノルウェーの緘黙支援サイト mutisme.no のページ
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Sandra Melliger 氏、Beat Schweizer 氏(スイス)


Sandra Melliger 氏は緘黙の経験者です。ウェブデザイナーで、スイスの緘黙支援団体 IG Mutismus Schweiz のウェブサイトの管理運営もされています。あと、緘黙の手記を出版されています。Beat Schweizer 氏はどういう方か、分かりませんでした。

※ Sandra Melliger 氏のブログ
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※ Sandra Melliger 氏による、緘黙支援団体 IG Mutismus Schweiz のサイト
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Sandra Melliger 氏の手記。↓
Wenn Fremde Anwesenheit Verstummen L Sst...


Valérie Marschall 氏(フランス)


フランスの緘黙支援団体 Ouvrir La Voix の代表。緘黙に関する著書があるほか、カナダの緘黙の本(日本では『場面緘黙児の支援』として知られる)をフランス語に翻訳しました。緘黙児の支援が評価され、Les femmes Version Femina という、よく分からないのですがフランスで女性に与えられる賞を受賞されたそうです。

※ Les femmes Version Femina を受賞された時の Valérie Marschall 氏
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※ フランスの緘黙支援団体 Ouvrir La Voix のサイト
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Steven Kurtz 氏(アメリカ)


児童心理学者。緘黙児のための行動療法プログラム Brave Buddies を開発したことで有名。ニューヨークのパークアベニュー沿いにある Child Mind Institute という有力民間団体で緘黙児支援に関わったり、アメリカ最大の緘黙支援団体 Selective Mutism Group で科学諮問委員を務めたりしています。

※ Selective Mutism Group による Steven Kurtz 氏紹介ページ
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※ Brave Buddies の説明(場面緘黙症Journal ブログ)
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Veysel Kizilboga 氏(トルコ)


言語障害セラピスト。言語障害のためのカウンセリング施設に所属。

※ Steven Kurtz 氏ウェブサイト
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Loredana Pilati 氏、Christian Callifano 氏(イタリア)


Loredana Pilati 氏は、イタリアの緘黙支援団体 Associazione Italiana Mutismo Selettivo の代表。Christian Callifano 氏については、はっきり読み取れなかったのですが、緘黙の自助グループの方で、お子さんが緘黙のようです。

※ Loredana Pilati 氏の YouTube 動画
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※ イタリアの緘黙支援団体 Associazione Italiana Mutismo Selettivo のサイト
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Anita Huang(黃晶晶)氏(台湾)


翻訳者。イギリスでは緘黙支援のバイブルとされる本 The Selective Mutism Resource Manual を翻訳。

むすび


これだけの寄稿者、よく集められたものです。ドイツの緘黙支援団体の実力を感じます。どういう意図で、世界の緘黙支援者の寄稿をこうして集めたのかは分からないのですが、興味を引かれる試みです。