緘黙・2014年の十大ニュース

2014年12月11日(木曜日)

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年末恒例、私の独断と偏見で選ぶ緘黙関係の十大ニュースです。ちょっと早いですが、今年一年をニュースで振り返りたいと思います。

2月 「かんもくの声」船出


緘黙当事者発信のゆるやかな出会い/交流・支援・啓発イベントや呼びかけを行う「かんもくの声」の活動が始まりました。

2月以降の活動歴は、「市民社会をつくるボランタリーフォーラム TOKYO 2014」分科会出演、ワークショップ開催、NHK首都圏ニュース取材に応じるかたちで出演、『しんぶん赤旗』掲載、「ひきこもり大学 緘黙学部」講師、月1回の公園活動など、活発です。

インターネット上での情報発信にも積極的で、Facebook の「いいね!」数は、緘黙を専門とした Facebook ページの中でも最多です。Twitter のフォロワー数も、国内最大の緘黙支援団体と同等以上の水準です。

5月 かんもくネット 5,000件を超えるリツイート


緘黙支援団体「かんもくネット」が Twitter に投稿した啓発画像が、5,000件を超えるリツイート数を記録しました。つまり、5,000人以上が、かんもくネットの啓発ツイートを読み、さらにツイッター上でこれを広めたことになります。リツイートしなかった人も含めると、何万か、多く見積もると何十万の人が、かんもくネットのツイートを読んだものと思われます。

※ かんもくネットのツイート (新しいウィンドウで開く

6月 『児童心理』に緘黙の記事が2本掲載


学校関係者などに読まれている『児童心理』という雑誌の7月号に、緘黙を主題とした記事が2本も掲載されました。そのうち1本は、かんもくの会の代表が共著者として名を連ねています。

6月 DSM-5 日本語版出る


精神疾患の診断基準として広く参照されている DSM (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)の改訂版 DSM-5 の日本語版が出ました。

従来の DSM では、緘黙は「通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害」に分類されていましたが、DSM-5 では「不安障害」に分類されました。英語圏の専門家の間からは、これまでの研究成果が反映された、緘黙の正しい理解が進むと、歓迎する声を聞きます。日本語版の出版により、日本でも理解が促進されるとよいです。

7月 NHK首都圏ニュースで、緘黙のリポート


7月23日(水)、NHK総合「首都圏ネットワーク」「首都圏ニュース845」の中で、緘黙のリポートがなされました。前者は6分ほどの内容、後者はその短縮版だったそうです。

8月 『朝日新聞』夕刊に緘黙の記事


8月25日(月)の『朝日新聞』夕刊「体とこころの通信簿」に、緘黙を主題とした記事が掲載されました(一部地域は非掲載)。ウェブ版である『朝日新聞デジタル』や、朝日新聞の医療サイト『apital』にも掲載されています。記事の内容は1,200字程度でした。

9月 「放課後カルテ」で緘黙に関する章が連載


女性コミック誌『BE・LOVE』に連載中の医療漫画「放課後カルテ」で、緘黙に関する新章の連載が始まりました。特に、新章が開始された19号(9月15日発売)では「放課後カルテ」が表紙で、巻頭カラーという扱いでした。「放課後カルテ」は月1回連載で、緘黙に関する話は既に3回連載されています。12月15日発売予定の25号では、4回目の掲載がある見通しです。なお、『BE・LOVE』は女性コミック誌では最も多い10万部を超える発行部数があります。

9月 「仰天ニュース」でカースティさん再び


9月24日(水)に放送された日本テレビ系の番組「ザ!世界仰天ニュース」4時間スペシャルで、カースティさんが再び取り上げられました。カースティさんは、緘黙を克服してミス英国2014(ミスイギリス2014)になられた方で、2013年2月13日(水)の放送で初めて同番組で題材にされました。ブログ「猫になりたい」によると、2度目の放送は再現映像は以前のものでしたが、その後の様子などが追加されていたそうです。

「Google トレンド」によると、このテレビ放送があった9月、「緘黙」のインターネットにおける検索シェアが急増しています。

10月 「選択性緘黙」を「場面緘黙」に変えようというレター論文掲載


場面緘黙症は、特に医学の世界では「選択性緘黙」が正式名称です。これを「場面緘黙」に変更することが妥当と主張するレター論文が10月、日本不安症学会の学会誌『不安症研究』に掲載されました。著者は、久田信行、藤田継道、高木潤野、奥田健次、角田圭子の各氏です。情報筋によると、名称変更は不安症学会が決めるのだそうです。詳しいことは分かりませんが、そうすると、不安症学会の学会誌にこのレター論文が掲載された意味は大きそうに思えます。

※ このレター論文の本文は、以下のページで読めます。J-STAGE へのリンクです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/adr/6/1/6_4/_article/-char/ja/
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12月 場面緘黙シンポジウム開催


12月14日(日)に「明日から活かせる場面緘黙児への支援」と題して、場面緘黙シンポジウムが開かれます。出演者は大橋伸和、はやしみこ、角田圭子、shizu の各氏。主催はかんもくネット。共催は代々木高等学院、かんもくの声、つぼみの会。後援は東京都教育委員会、文京区教育委員会、日本自閉症協会です。参加者定員320名は既に満たされているそうです。

未来の出来事ですが、大規模なイベントですので、十大ニュースの一つとして取り上げました。

今までありがとう


十大ニュースとは別に、今年閉鎖した主な緘黙関係サイトや、提供終了した主な緘黙関係コンテンツを最後に取り上げたいと思います。

まず、個人ホームページ「It's my life」が、今年閉鎖しました。前身の「ぴすちゃんのお部屋」(2003年開設)以来、10年以上の長きにわたって続いた緘黙サイトでした。なお、管理人さんは今年「宇佐爺」のお名前でNHKクリエイティブ・ライブラリーに動画「場面緘黙のこと(今話せない貴方へ)」を公開されていて、この動画は残っています。

また、これも長らく愛されてきた掲示板「日本全国緘黙症・元緘黙症探し!」が4月30日で公開停止しています。管理人さんによると、今後の継続に関しては未定という状況です。

「緘黙の輪」の時代がまた一つ遠のき、寂しい限りです。長い間良質なコンテンツの提供、ありがとうございました。

むすび


昨年ほどではないものの、今年も大きなニュースが大きかったです。

来年は、緘黙を経験されたイラストレーター・らせんゆむさんのコミックエッセイ『かんもくガール』や、緘黙に関する話を収録した『放課後カルテ』第8巻、さらにはオックスフォード大学出版局による緘黙の本 Helping Children With Selective Mutism and Their Parents の翻訳書の出版が予定されていて、早くも「緘黙・2015年の十大ニュース」の候補です。