保護者、教師、専門家、そして同級生~ Maya's Voiceを読んで~

2015年01月14日(水曜日)

アイキャッチ画像。写真素材サイト 写真ACより。

緘黙の英語書籍 Amazon.com 売上トップ10


英語圏では、場面緘黙症を主題とした本がたくさん多く出ています。色々な本が出ていますが、どんな本が売れているのでしょう。米国 Amazon.com の Best Sellers Rank から売上トップ10を見てみました(2015年1月13日現在)。なお、この売上ランキングは変動が激しいので、参考程度に。

1 Maya's Voice(69,722位)
⇒ 絵本。
2 Understanding Katie(191,283位)
⇒ 絵本。ロングセラー。
3 Lola's words disappeared(234,546位)
⇒ 絵本。iPad アプリも出ています。
4 Charli's Choices(266,973位)
⇒ 絵本。関連記事:緘黙を経験した専門家が出した絵本(海外)
5 The Selective Mutism Treatment Guide(279,565位)
⇒ スモールステップで緘黙児の発話を支援する本。関連記事:イスラエルの緘黙専門家が書いた本
6 Helping Your Child with Selective Mutism(286,629位)
⇒ スモールステップで緘黙児の発話を支援する本。『場面緘黙児への支援』(緑色の本)の原書。関連記事:最新!2005年8月発売の緘黙本
7 Selective Mutism(449,550位)
⇒ スモールステップで緘黙児の発話を支援する本。関連記事:米・緘黙支援団体理事長の本が出る
8 My Friend Daniel Doesn't Talk(451,101位)
⇒ 絵本。関連記事:緘黙の理解に役立つ絵本(英)
9 The Selective Mutism Resource Manual(470,918位)
⇒ スモールステップで緘黙児の発話を支援する本。英国では緘黙児支援のバイブル。関連記事:The Selective Mutism Resource Manual
10 The Ideal Classroom Setting for the Selectively Mute Child (625,095位)
⇒ 学校で緘黙児にどう対応するべきかまとめたもの。関連記事:洋書・緘黙児のための理想的な教室設定

※ いずれも、紙の本の順位。

なんと、売上トップ3の本に限って、まだこのブログで取り上げていません。4位以下の本はどれも取り上げているのに。場面緘黙症Journal って、ひどいです。そこで、今回は売上1位の Maya's Voice について少し書いてみたいと思います。

Maya's Voice


Maya's VoiceMaya's Voice は、2013年10月に CreateSpace という Amazon グループ企業によるオンデマンド自費出版サービスを通じて刊行された絵本です。作者の Wen-Wen Cheng さんは、緘黙児の保護者だった方ですが、絵本を描くのがお好きな方でもあり、また、カリフォルニア大学で教育学の修士号を取得された教師でもあります。今回の絵本にはペーパーバック版と電子書籍版があり、私は後者(Kindle 版)を読みました。

主な内容は、学校で緘黙する少女 Maya が、同級生の理解を得て声が出るようになるまでを描いたものです。緘黙のことを知らない子に、緘黙への理解を促す目的の絵本と思われます。絵本の趣旨は、日本の『なっちゃんの声』に近いかもしれませんが、もう少し長くて難しく、年齢が若干上の子向きかもしれません。

緘黙児支援では、理想的には保護者、教師、専門家の三者が連携して支援にあたるわけですが、子どもにとっては、案外これら三者よりも同級生の存在の方が大きい場合もあります。同級生の言動が、緘黙症状に大きな影響を与えることがあるかもしれません。教育関係の本では、フィクション、ノンフィクション、専門書問わず、同級生の力が緘黙の子が話せるようになる助けになったという話を見ることがありますが、こういったところについて考えさせられました。

絵本の絵柄は、日本人の私にも比較的馴染みやすいです。太い線で描かれてありますが、はっきりして見やすいと感じます。

[関連リンク]

◇ Maya's Voice 公式サイト(英語)
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おまけ:緘黙の日本語書籍 Amazon.co.jp 売上トップ5


1 場面緘黙Q&A(69,987位)
2 どうして声が出ないの?(96,976位)
3 なっちゃんの声(151,577位)
4 場面緘黙児への支援(175,391位)
5 場面緘黙児の心理と指導(390,018位)

番外:かんもくガール(60,792位)←1月30日発売予定。

※ 2015年1月13日現在。このランキングも変動が激しいので、参考程度に。