『放課後カルテ』8巻発売、緘黙の話中心に収録

2015年02月15日(日曜日)

アイキャッチ画像。写真素材サイト Photo AC より。

第8巻発売


場面緘黙症の話を中心に収録した、医療漫画『放課後カルテ』の第8巻が発売されました。2月13日(金)の発売ですが、配送の関係で、地方によっては書店に並ぶ日が遅れます。

『放課後カルテ』は、男性学校医・牧野を主人公とした漫画です。講談社の女性コミック誌『BE・LOVE』連載作。作者は日生マユさん。杏林大学病院小児科監修。

「牧野が場面緘黙の早期治療に乗り出した!!」


私は書店でこの本を見つけたとき、驚きました。本の帯に、「牧野が場面緘黙の早期治療に乗り出した!!」とあり、しかも「場面緘黙」の文字は「放課後カルテ」の題字と同じぐらい大きく、書店に置いてあると目立つのです。よく知られていない「場面緘黙」という用語がここまで大きく打ち出されるとは意外ですが、緘黙に関心のある者にとっては嬉しいところです。

それから、表紙はよく考えられていると思いました。裏表紙まで見ると……。

第8巻の概要


さて、第8巻の中身ですが、『BE・LOVE』に連載された作品を中心に構成されています。

1話30ページからなる物語が5話収録されていて、そのうち4話(第36~39話)が緘黙の章です。もう一つの話(第35話)は反復性腹痛に関するものですが、この話も緘黙の章に絡んできます。緘黙の章は今巻では終了せず、7月13日(月)発売予定の第9巻に続きます。次の第40話が、緘黙の章の最終回です。

単行本化にあたって一部の箇所で描き換えがなされていますが、物語の内容は変わりありません。

単行本の楽しみとして、描き下ろしのおまけページがあります。巻末のおまけページ「あとがき☆ほーかる」でも緘黙のことが描かれていて、緘黙に関心のある私にとってはありがたいです。驚いたのは、昨年12月に開かれた「かんもくネット」講演会の模様まで描かれてあったことです。日生さんは講演会を見に行かれたそうです。

緘黙を取り上げていただけて感謝


放課後カルテ(8) (BE LOVE KC)本作の物語は連続したものですが、第8巻から読み始めても物語の理解に支障はなさそうです。

女性コミック誌連載作ではありますが、男性にも自然に読めそうな作風です(私も男性です)。先入観を持たずに、男性にも読んでいただきたいです。ただし、いざ買おうと書店に向かうと、少女漫画売り場に行く必要に迫られる可能性大です。恥ずかしい方はネット書店を利用するか、「妻に頼まれて買いにきたのです」という顔をして書店に入りましょう。

本巻では、日生さんの意図通り、緘黙に関しては正しい知識が分かりやすく描かれています。緘黙症状から緘黙児への支援法まで、定評ある本を参考文献にしっかり描かれてあります(参考文献は、『どうして声が出ないの?』『場面緘黙Q&A』『なっちゃんの声』の3冊です)。緘黙に関するフィクションは私もこれまでいくつも読んできましたが、なかなかここまで描くことができたものはありません。これだけのものを描いていただけて、そして緘黙に関心を持っていただいて、感謝の念に堪えません。

なお、『放課後カルテ』は、女性コミック誌『BE・LOVE』で連載が続いています。2月15日(日)発売分では、新章が始まるようです。