保護者の誤った理解を、子どもが覆せるか

2015年03月18日(水曜日)

アイキャッチ画像。イラスト素材サイト イラストAC より。hozuさんのイラスト。
親に緘黙のことを理解してもらおうと資料を渡したが、拒否された--

この種の緘黙児の話を、何度か目にしたことがあります。

緘黙児本人が保護者に理解を求めても、うまくいかない場合


緘黙児にとって、保護者の理解と支援が得られれば、克服に心強いでしょう。実際、緘黙児の支援は、保護者、学校、専門家が連携し、子どもの生活全般をサポートしていくのが最も効果的とも言われます(かんもくネット、2008)。また、自分の辛さを保護者に知って欲しいというのも分かります。緘黙児の中にこうした行動をとる子がいても、もっとものように私には思えます。

緘黙のことは、子ども自身が保護者に理解を求めるしかない場合があります。幼稚園や学校の先生などが、保護者に緘黙のことを伝えて理解を促してくれればよいですが、そのような展開になるとは限りません。

そこで、緘黙児自身が保護者に思い切って話したり、資料(※)を見せたりして理解してもらおうとするわけです。ですが、冒頭のように拒否されたり、「あんたが障害児のわけない」などと否定されたりすることも、正確な実態は不明なものの、わりとあるようです。緘黙は「最も近くにいる家族にその深刻さを気づいてもらえない特性をもった障害」(弥生桜、2008年12月2日)という声もあります。大抵の場合、家では話せるわけですから、保護者には理解してもらえにくいかもしれません。

保護者の誤った理解を、子どもが覆すことができるか


こうした場合、子どもが保護者の誤まった理解を覆すことは可能でしょうか。現代の一般的な家庭ではどうか、私にはよく分かりません。

これはあくまで我が家の少し昔の例(保護者=親)ですけれども、私が子どもの頃は、子どもが親を説得して親の理解を覆すことは困難を極めたものです。どうしても親の方が賢いですし、立場も上ですからうまくいきません。そもそも、子どもは親に養ってもらっている以上、親の言うことに口答えをしてはいけない、そうしたルールも多かれ少なかれあって、このような試みは不道徳とさえみなされかねませんでした。

現代の一般的な家庭はどうか知りませんが、子どもの訴えに耳を傾けてくれるような保護者だと、望みはありそうです。ですが、私の例と同じような家庭だと難しそうです。こうなると、私にもよい策が思い浮かびません。自分自身の経験もあって、つい「保護者は当てにならないよ」などと言いたくなります。

※ 緘黙の本を保護者に見てもらうという方法もありますが、こうした本は価格帯、入手手段などを考えると、子どもが独自に手にするのはハードルが高そうです。そういえば、緘黙の話を中心に収録した『放課後カルテ』第8巻は400円台でしたね。一般的な緘黙の本と比べると手ごろな値段です。

文献


◇ かんもくネット著、角田圭子編(2008)『場面緘黙Q&A-幼稚園や学校でおしゃべりできない子どもたち-』学苑社。
◇ 弥生桜(2008年12月2日)「保護者会員の方々とお会いして」『ほんとうは暖かい光が好き ~場面緘黙症との闘い』 http://preciousshine.at.webry.info/200812/article_1.html 最終アクセス2015年3月18日。