「緘黙ブログ元年」から、今年で10年

2015年04月13日(月曜日)

アイキャッチ画像。桜の人物素材は余るほどあるので、積極的に使ってます。
日本で初めて場面緘黙症を主題としたブログができてから、気付いたら10年を超えていました。そこで、ここで緘黙ブログの歴史を振り返ってみたいと思います。といっても、この10年超を全部振り返るとかなりの長文になりそうなので、緘黙ブログ黎明期を中心に取り上げるにとどめます。

ブログ以前の時代


緘黙サイト黎明期の2000年代初め頃には、まだ日本にはブログは広まっておらず、個人の情報発信は「ホームページ」が主流でした。

緘黙についても、個人の「ホームページ」を通じて情報発信や交流が行なわれていました。ただし、緘黙を扱ったホームページには、「日記」や「Diary」と称する Web日記が定番のコンテンツの一つとしてありました。これは現在のブログに近いもので、後にブログに移行した Web日記もあります。

日本初の緘黙ブログ開設は、2004年かそれ以前


ブログが登場するのは、その何年か後のことです。私は以前、日本でブログによる緘黙の情報発信が始まったのは2005年後半頃と書いたことがあるのですが、最近の私の調べで、少なくとも2004年にまで遡ることが分かりました。

具体的には、当時の「楽天広場」のブログ化に伴いブログ化したと思われる「スマママ(^_-)-☆のぐ~たら気侭日記」と、同じく楽天広場内に開設された「のひめの宝物」が、2004年の開設です(いいのかな、名前出して)。「スマママ」さんの方が時期が早そうなのですが、はっきりしたことは分かりません。

↓ いずれも既に閉鎖しており、現在アクセスできません。
○ スマママ(^_-)-☆のぐ~たら気侭日記 (新しいウィンドウで開く
○ のひめの宝物 (新しいウィンドウで開く

「緘黙を主題としたブログ」と、「緘黙が主題ではないが緘黙に関する内容を含んだブログ」の線引きは難しいですが、私が後者と判断したブログとしては、「ねむい、ねむいんだ」「だいなしブログ」(現存)などがありました。また、緘黙や社交不安障害などを扱ったコミュニティサイト「ほほえむ」の中にもブログがありました。他にも未確認のブログがあるかもしれません。

[追記(2015年4月15日)]

drecom_moon_dorakoのブログ」「新世界で一番遠い場所


[再追記(2015年5月19日)]

ちょびのかんもく日記」(現・「コミュニケーションの問題周辺―アスペルガー・緘黙症―」)

2004年7月25日に開設された保護者によるブログで、「ZITUKOのおへや」内のコンテンツでした。現在のブログは、別の方によるもののようです。追記を重ねましたが、2004年には既に、緘黙に関するブログは結構あったようですね。「緘黙ブログ元年」は2014年にしてもよいように思えてきました。


ただ、この時はまだ緘黙ブログの開設は限られた一部の動きで、大きな流れにまではなっていませんでした。なお、この2004年は、このブログでもお馴染みの FC2 ほか各社のブログサービスが出揃った年で、「ブログ元年」と言う人もいます(「ブログ元年」は2003年や2005年という説もあります)。

2005年後半に、緘黙ブログの開設ラッシュ


2005年後半には緘黙ブログの開設ラッシュが起こり、大きな流れになります。日本における「緘黙ブログ元年」は、実質的にはこの年ではないかと思います。2005年といえば、新語・流行語大賞のトップテンに「ブログ」が選ばれたり、「ブログの女王」と呼ばれたタレント・眞鍋かをりさんが紅白歌合戦の審査員に選ばれたりと、ブログの認知が広まった年です。

以下は、2005年に開設された緘黙ブログのうち、私が確認したものです。分かる範囲で開設順に並べてあります。全て2005年後半に開設されたもので、前半に開設されたブログは見つかりませんでした。なお、※は、現在アクセスできません。

○ アニマルセラピーやってます♪ (新しいウィンドウで開く
○ 場面緘黙症専用ブログ (新しいウィンドウで開く
○ ほんとうは暖かい光が好き (新しいウィンドウで開く
○ 喋らない子供~選択的無言症~ (新しいウィンドウで開く)※
○ ココロノドア (新しいウィンドウで開く
○ 発展途上母の育母日記 (新しいウィンドウで開く)※
○ 緘黙のむこうに (新しいウィンドウで開く
○ fu・wa・ri (新しいウィンドウで開く
○ 緘黙の話 (新しいウィンドウで開く

2005年7月8日に開設した「アニマルセラピーやってます♪」は、私が確認した限り、現存最古の緘黙ブログです。同年7月16日に開設した「場面緘黙症専用ブログ」は Web日記から移行したもので、その Web日記の開設は、私独自の調査によると2004年6月12日に遡ります。考えようによっては、こちらの方が歴史があると言えます。どちらのブログも、2015年に入っても更新が続く長寿ブログです。

このほか、緘黙を主題としてはいないものの、この時期に開設された緘黙に関する重要なブログとして「ゆきんこの引き出し」が挙げられます。

なお、「場面緘黙症Journal」(SMJ)も、その起源はこの緘黙ブログ元年にあります。SMJ はもともと、2005年後半に「ニートひきこもりJournal」の中で緘黙について継続的に取り上げたことが起こりです。このブログでは、この緘黙記事に限って、当時の緘黙ブロガーから複数のコメントをいただいていました。そこで、緘黙コーナーを翌2006年1月に分離・独立したのが、現在の SMJ です。当初は、ブログのみの内容でした。

この2005年に開設されたブログには、「緘黙」の文字を題名に含めたものがいくつかあります(「緘黙のむこうに」「緘黙の話」など)。これは当時としてはちょっと画期的なことでした。それ以前の個人ホームページの時代は、「緘黙」の文字を冠しない緘黙サイトがほとんどだったのです(「ココロのひろば」「ふゆう(フユー、浮遊)」「ほほえむ」など)。

さて、この2005年以降、個人の緘黙に関する情報発信はブログが主流となっていきます。一方、それまで主流だった個人のホームページやWeb日記は、叙々に下火になっていきます。ホームページや Web日記をブログに移行する動きも現れます。

その後は……


2005年後半以降、緘黙ブログは発展していきます。私は昔から海外の動向も見ていますが、ここまで緘黙ブログが発展した国は他にないのではないかと思います。

当時の緘黙ブログ界はかなり活気がありました。例えば、「ほんとうは暖かい光が好き」は、緘黙支援に関する問題提起を行い、これが後に、今日の二大緘黙支援団体の一つ「緘黙児を支援する会」(現・かんもくの会)の立ち上げにつながります。また、手前味噌で恐縮ですが、私のブログで海外資料の翻訳公開を行なっていた「SMJ 翻訳チーム」の活動は、これまた今日の二大緘黙支援団体の一つ「かんもくネット」の誕生につながります。

ですが、2010年代に入ると Twitter の利用者数が目立って増加してゆき、今日ではブログよりもむしろ Twitter の方が、緘黙に関する個人の情報発信の主流となっている感があります。2013年には、「カンモク記」「緘黙(かんもく)的人生」「てるピカ新聞」「学校で話せない子ども達のために-ブログ版ー」「ぼちぼち いこか♪」などの名物ブログが相次いで更新終了を宣言しており、これも大きかったかもしれません(ちなみに、この年は「仰天ニュース」で緘黙が取り上げられた年でもあります)。

とはいえ、今日でも緘黙ブログは多数存在しますし、緘黙ブログの新規開設は続いています。ブログの内容が Twitter でシェアされることもあるなど、興味深いブログ記事は今日でもあり、いまだ緘黙のブログは存在感を示しています。今後はどうなるのでしょう。

今回の記事、いかがでしたでしょうか。「10年前のこと、リアルタイムで知ってるよ!懐かしい!」という方が多いのか、「そんな昔のこと初めて知った」という方が多いのかが、個人的に気になります。