緘黙児のきょうだい

2015年05月10日(日曜日)

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「我慢させてごめんね」

場面緘黙症を克服した少女と、その母親の実録『負けたらあかん!』という本があります。この母親は緘黙の娘さんのことにとても熱心で、娘さんによく寄り添っています。立派なお母さんだと思います。

この本には、緘黙児の弟について書かれた箇所があります。緘黙は、兄弟姉妹揃って緘黙ということが時々あるのですが、この弟はそうではなく、母親からも姉からもさほど心配されずに育ったようです。

ところが、弟は、母親が娘さんのことを優先するあまり、我慢を強いられる場面もありました。また、弟は弟で悩みもあったのに、母親になかなか気付いてもらえず、追い詰められることもありました。このように、緘黙児の弟という、なかなか話題にされないテーマにも本書は踏み込んであります。現在、中古本でしか入手できないのが少し残念です。

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障害児の兄弟姉妹で、特に健常児を「きょうだい児」と呼ぶそうです。きょうだい児には特有の悩みがあります。親が障害児にかかりきりで孤立感を覚えた、自分は二の次の存在なのかと感じた、障害児の分まで頑張りすぎてしまう、同じ学校に通いたくない、親亡き後の面倒を見なければならない、結婚で不利な扱いを受けるほか、様々です。子どものうちから障害児のために我慢を強いられたり、障害児の面倒を見たりするため、甘えたり頼ったりするのが苦手で大人びた子も多いと聞きます。

こうしたきょうだい児が抱える悩みや葛藤は注目されにくく、また理解されにくいです。「きょうだい(児)支援」も一つの課題とされています。

緘黙児・者のきょうだいが置かれている状況は、きょうだい児一般のものと重ならない部分もあるでしょうが、きょうだいゆえの何らかの悩みを抱えている子・人がいても不思議ではないように思います。きょうだいに対する配慮も考えていきたいところです。

今のところ、緘黙児・者のきょうだいが、こうしたことについてブログや Twitter などで語っている場面を、私はあまり見たことがありません。私の考えすぎならよいのですが。