「助けになったのは、親より友達」

2015年09月18日(金曜日)

アイキャッチ画像。

登場人物はみな同年代の若者


場面緘黙症を扱ったノベルゲームがあります。個人の方が趣味で作ったもので、今月8日に公開されました。

↓ 無料ゲーム配信サイト「ふりーむ!」へのリンクです。
◇ 晴天と僕 (新しいウィンドウで開く

↓ YouTube で実況プレイしている方もいらっしゃいます。YouTube へのリンク。
◇ 「とある人の夏休み」晴天と僕 単発実況  (新しいウィンドウで開く

このゲームで面白いと思ったのは、緘黙の少女をめぐる登場人物が、高校生を中心とした同年代の若者ばかりであることです。緘黙に関わる話というと、よく緘黙児の母親が出てくるものですが、これは同年代の若者の間の話として完結しています。

「高校生ぐらいになると、親よりも、同年代の若者に関心が移る。もっともだ」などと思いながら、私はプレイしました。

緘黙RPG、緘黙児最大の理解者は「友達」


私も緘黙の小学4年生が主人公のRPG(ロールプレイングゲーム)を公開していますが、このゲームには緘黙児の母親が登場します。ですが、このゲームでは、緘黙児の最大の理解者は母親ではなく、友達です。主人公はこの友達が好きそうですが、母親にはそれほどでもなさそうです。

◇ 緘黙RPG(仮) (新しいウィンドウで開く

緘黙RPGは、小4の緘黙児視点のゲームです。これぐらいの年頃の子も、やはり親より友達優位だろうと考えたのです。これが、主人公がもっと幼かったり、母親視点のゲームだったりすると、『放課後カルテ』のように親子の心の触れ合いを描くなどしただろうと思います。

大人の緘黙経験者ら調査「助けになったのは、親や教師より友達」


以上はフィクションのゲームの話でしたが、現実の緘黙児・者と友達の関係はどうなのでしょう。

こういうアンケート調査があります。海外の研究ですが、18歳以上で緘黙だった経験がある、つまり大人の緘黙を経験したことのある人を対象としたアンケート調査です。

↓ その論文が公開されています。緘黙支援団体 iSpeak へのリンクです。
◇ SELECTIVE MUTISM RESEARCH FINDINGS (新しいウィンドウで開く

これによると、「誰があなたを助けてくれましたか」の問いに対し、アンケートに回答した83名のうち18名が「友達が助けてくれた」と答えました。一方、「親/身内が助けてくれた」の回答は11名、「教師等が助けてくれた」は4名でした。親や教師よりも、友達が助けになったという調査結果です。

この他、次のような結果が明らかになっています。

「友達が助けようとしてくれたが、できなかった」23名

「親/身内が助けようとしてくれたが、できなかった」30名
「親が問題を悪化させた」27名
「親以外の身内が問題を悪化させた」16名

「教師が問題を悪化させた」31名
「教師が助けようとしてくれたが、方法が分からなかったり、できなかったりした」22名

ただし、これは海外の調査です。日本で調査を行なうと違う結果が出るかもしれません。また、緘黙が成人期にまで続かず、もっと早い段階で克服できた人を対象に同様のアンケート調査を行えば、結果は変わってくるかもしれません。ですが、そのような調査の存在は少なくとも私は知らず、なんとも言えません。

緘黙児・者の友達も気になる


ただ、日本の緘黙経験者や当事者の話を読んでも、友達のおかげで緘黙を克服できたという話を時々見ることがあります。

私自身の経験からしても、一番ありがたかったのは、私のことを理解してくれた一部の親切な同級生でした。同級生は、私が学校で話せない様子を一番よく見ていたのです。緘黙RPGのストーリーは、私自身の経験も少し反映されています。

そして、緘黙児であっても、ある程度年齢が上がると、親よりも同年代の友達や同級生に関心が移るものではないかと思います。

もちろん、無理解な友達がいて緘黙症状を悪化させられたとか、そもそも友達がいなかったということも、少なからずあるでしょう。また、親にしても無理解な人ばかりではありませんし、親が支援に関わることも必要でしょう。ただ、緘黙児・者というと親子関係がよく扱われる中、友達や同級生との関係について、もう少し注目してみたいような気もします。

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補足:「助けになったのは、親より友達」?

前回の記事、「助けになったのは、親より友達」で、雑な部分がありました。補足記事を書こうと思います。 若い世代だと、「親/身内が助けてくれた」の回答が増える 前回の記事で、私はこう書きました。 こういうアンケート調査があります。海外の研究ですが、18歳以上で緘黙だった経験がある、つまり大人の緘黙を経験したことのある人を対象としたアンケート調査です。 ↓ その論文が公開さ...

2015/09/21(月)22:23│場面緘黙症Journalブログ