SMIRA役員「選択性緘黙という名称より、場面緘黙症の方を好む」

2015年10月05日(月曜日)

アイキャッチ画像。
英国の緘黙支援団体 SMIRA の役員が、BBC のラジオ番組の中で、「Selective Mutism(選択性緘黙)という名称よりも、Situaional Mutism(場面緘黙症)の方を好む」と述べ、ちょっと驚きました。

これは前後の文脈により、SMIRA としての意見ともとれましたが、この役員個人としての意見ともとれました。

SMIRA はかなり有力な緘黙支援団体です。私に言わせれば、「世界三大緘黙支援団体の一つ」です。

緘黙の正式名称である「選択性緘黙(Selective Mutism)」については、緘黙に対する誤解を招きかねないから変更すべきという声が国内外にあります(ただし、これが多数意見か少数意見かは分かりません)。そんな中、有力な緘黙支援団体の役員がこのような発言をしたことは注目に値すると思います。

ソースは BBCのラジオ番組(オンデマンドで聴けます)


その発言は、昨日10月4日(日)に放送された、BBC のローカルラジオ番組の中でありました。英語圏では10月は緘黙の啓発月間として、現在啓発活動が活発に行なわれているのですが、それに合わせての動きでしょうか、50分近くにわたって緘黙を特集する番組がありました。

↓ その番組が、ここでオンデマンドで聴けます。BBC ホームページへのリンクです。
◇ BBC Three Counties Radio - Shrink Wrapped, Selective Mutism (新しいウィンドウで開く

その中で、SMIRA のコーディネーター(SMIRA のナンバー2?) Lindsay Whittington さんという方が、次のように発言する場面がありました。32:05頃からです。

I suppose originally it was known as Elective Mutism, which actually sort of indicated that there was a refusal to speak. Back in the 1990s, the name was changed to Selective Mutism, consistent failure to speak in certain circumstances. We actually prefer rather than Situational Mutism, because that sort of takes away this feeling of refusal to speak and describes the situation very much more clearly, I think.
(書き起こしが間違っていたら申し訳ありません。だいたい合ってると思うのですが。)

場面緘黙症(Situaional Mutism)という名称だと、緘黙児・者が発話を拒絶しているというニュアンスがなくなり、緘黙をよりはっきり言い表しているという理由で、こちらの方を好むと発言しています。

主語が We であることから、これは SMIRA としての意見ともとれます。だったら、これは大きなニュースです。ですが、最後に I think と付け加えていることから個人の意見ともとれ、はっきりしません。

もっとも、SMIRA は Selective Mutism の名称を使い続けており、名称の変更を訴えるなどの動きは確認できません。

Selective Mutism(選択性緘黙)の名称を変えてほしいという意見は、国内外にある


Selective Mutism(選択性緘黙)の名称を変えてほしいと考える海外の人は結構いるようで、このブログでも以前取り上げたことがあります。変更を求める理由の多くは、この名称だと、緘黙児が話さないことを自ら選択していると誤解される恐れがあるからというものです。

↓ このブログの過去の記事へのリンクです。
◇ 海外にも「選択性」の名称を変えてほしいという声が (新しいウィンドウで開く

日本でもかねてから同様の声があり、「場面緘黙(症)」の名称が浸透しています。昨年10月には、名称変更を訴える論文が『不安症研究』に掲載されました。

↓ このブログの過去の記事へのリンクです。
◇ 「選択性緘黙」を「場面緘黙」に変えようという論文  (新しいウィンドウで開く

カースティーさんも、このラジオ番組に出演


なお、このラジオ番組には、あのカースティーさんも出演されています(35:05あたりから)。音声から窺うに、電話出演らしいです。

カースティーさんこと Kirsty Heslewood さんは緘黙を経験された方で、2013年2月13日に、日本のテレビ番組「ザ!世界仰天ニュース」で「静かな少女の秘密」として取り上げられました。のち、ミス・イングランドやミス・英国に輝いています。