「緘黙が児童期のみというのは、神話」

2015年12月18日(金曜日)

アイキャッチ画像。
大人や10代の緘黙者のための支援グループがあります。 英国の iSpeak というサポートネットワークです。英国の緘黙支援団体といえば SMIRA が日本でも馴染みがありますが、この iSpeak も、英国では近年注目を集めています。

◇ iSpeak (新しいウィンドウで開く

大人などの緘黙支援グループの運営者が、本を出す


この iSpeak の運営者が、この度本を出します。Selective Mutism in Our Own Words: Experiences in Childhood and Adulthood という題名の本です。今月21日に出版予定で、日本の Amazon.co.jp もこれを取り扱っています。

この本に、私は注目しています。その理由のひとつは、iSpeak の本だからということ。もうひとつは、これまで緘黙の本ではあまり話題にされることがなかった、比較的年齢層が高い緘黙者(大人の緘黙者含む)を取り上げるものとみられるからです。

この本に推薦文を寄せている方のお一人に、英国における緘黙支援の第一人者マギー・ジョンソン(Maggie Johnson)さんがいらっしゃるのですが、この方の推薦文の一節は衝撃的です。

ついに、場面緘黙症は児童期のみに見られる状態という神話を一掃する本が出ました。

Finally, a book to dispel the myth that Selective Mutism is an exclusively childhood condition.

緘黙は児童期のみに見られるという見方を、「神話」(myth)と言い切っています。

発売前の本ゆえ、まだ中身を読んでおらず評価はできないのですが、注目しています。Amazon の「なか見!検索」を見た限りでは、緘黙の経験者ほか、それに関わる様々な人たちの声が含まれているようです。本の前文を、『自閉症だったわたしへ』などで日本でも知られるドナ・ウィリアムズ(Donna Williams)さんが書いています。

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本を買っていただきありがとうございます


さて、今年一年も、場面緘黙症Journal を通じてたくさんの本を買っていただき、ありがとうございました。私は Amazon.jp のアソシエイトプログラムを通じ、紹介料を得ています。

受け取った紹介料は緘黙の本の購入費等にあて、本を読んだうえ、その内容をここで詳しく取り上げたり、記事を書く際に本の内容を引用したりしています。先日の記事「『助けて』と言えない緘黙児」「人の名前が呼べない緘黙者?海外でも似た例が多数存在か」には、緘黙の本を参照した箇所がありますが、こうした記事が書けるのも、紹介料で緘黙の本を買うことができるためです。

今回の本も購入して読み、後ほどブログで改めて詳しく取り上げたいと思います。

関連リンク:大人の緘黙


今年7月、BBCが大人の緘黙を主題とする記事を公式サイト上に掲載しました。また、英国心理学会のブログにも、同月、大人の緘黙の研究を主題とした記事を公開しています。

↓ BBC News へのリンクです。
◇ Selective mutism: 'I have a phobia of talking' (新しいウィンドウで開く

↓ 英国心理学会ブログへのリンクです。
◇ The experiences of adults with "selective mutism", in their own words (新しいウィンドウで開く

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◇ 英BBCが、大人の緘黙を正面から取り上げる (新しいウィンドウで開く


Selective Mutism in Our Own Words: Experiences in Childhood and Adulthood
Carl Sutton Cheryl Forrester
Jessica Kingsley Publishers (2015-12-21)