場面緘黙症とは何か(第4版) 

■ 緘黙症って何?

緘黙症(mutism)とは、話す能力があるにもかかわらず、特定の場面で継続的に発語ができない情緒障害です。症状が重篤化すると、話すことができないだけでなく、思うように動くこともできなくなります。

緘黙症は、主に幼稚園児や小学校低学年の児童が発症します。読み方は「かんもくしょう」です。統合失調症やヒステリー失声とは違います。また、発達障害とも通常分けて考えます。

まだまだ研究が進んでおらず、分からないことが多い情緒障害です。

■ 緘黙症の分類

緘黙症は、話すことができない場面をもとに、場面緘黙症(selective mutism)と全緘黙症(total mutism)に分類することができます。

◇ 場面緘黙症

学校など、特定の場面で話すことができません。しかし、家では何の問題もなく話すことができます。特に、幼稚園や小学校への入学をきっかけに問題化します。緘黙症の多くが、この症状だと言われています。

このサイトでは、この場面緘黙症をメインに扱います。なお、「選択性緘黙」「選択的緘黙」「選択緘黙」とも呼ばれています。

◇ 全緘黙症

重度の緘黙症で、あらゆる場面で話すことができません。非常に稀なケースです。

■ 場面緘黙症児の特徴

◇ いつも極端に緊張している

場面緘黙症児の多くは、学校などの特定の場面では、過度に緊張しています。社会不安障害の診断基準に当てはまるという研究結果も(Kristensen, 2000; Dummit et al., 1997; Black and Uhde, 1995)これを裏付けていると見ていいでしょう。

◇ 笑わない

「笑わない」というよりむしろ、「笑えない」と言った方が正確かもしれません。極度の緊張で、話すことだけでなく笑うことすらできなくなります。

◇ 首を使ったコミュニケーション

話せないので、首を使って意思表示をすることがあります。

◇ 自分に自信がない

場面緘黙症児は自分に自信がない傾向があると言われています。この傾向は社会不安障害の人とも重なります。

◇ 不登校はしない

場面緘黙症児は学校に出てくることが多いと昔から指摘されています(河井, 1994; 相場, 1989)。

しかし、近年専門家からは、緘黙症児は登校拒否になる可能性が高いという指摘も出ています(山本, 2005)。ネット上では、不登校の緘黙症児や経験者、その保護者を見かけることがあります。不登校は時代によって変わっており、近年でもかつて指摘されたように緘黙症児が不登校をしないとは限りません。

この問題については、統計的な調査が行われておらず、どの程度の割合の緘黙症児が不登校かは分かりません。

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場面緘黙症 in 日本児童精神医学会 

場面緘黙症に関する研究が、学会発表の演題に選ばれる…ということは、随分昔からありました。

古いものでは、1960年(昭和35年)に、新井清三郎氏の一時的喊黙症(誤字ではありません)に関する研究が、第57回日本小児科学会宮城地方会において発表されています。

1970年代には、大井正己氏らによる児童期の選択緘黙についての研究が、第9回国際児童精神医学会で発表されました。日本の緘黙研究が、国際的な学会で発表されたようです。

比較的最近では、2002年(平成14年)に、西方宏昭氏らのグループによる「選択性緘黙を合併した神経性食欲不振症の患者に対する非言語的交流技法を用いた治療的介入」が、第41回日本心身医学会九州地方会において発表されています。

※ これらはほんの一例であり、まだまだたくさんあります。

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こうした学会発表は、その学会の機関紙に抄録が掲載されることがあるようです。

それで私は、面白いことに気づきました。

60年代後半頃に行われた第7回日本児童精神医学会(現在の日本児童青年精神医学会)において、場面緘黙症に関する研究が演題として4つも選ばれていたのです。場面緘黙症の研究が、1つの大会でこれほど多く発表されたのは、他の学会も含めて、私の知る限り例がありません。

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シャイに関する英国の新聞記事 

イギリスの高級紙 The Times (インターネット版)で、シャイに関する面白い記事を発見しました。2007年7月24日に公開された Why we are shy という記事です。

http://women.timesonline.co.uk/tol/
life_and_style/women/the_way_we_live/article2125575.ece


場面緘黙症とも通じるところがある話題です。最新の研究も紹介しながら、どうしてシャイになるのか、シャイの克服法は何か、シャイな子どもを持つ親へのアドバイスなど、シャイ全般に関して詳しくまとめられています。

記事の中で出てくる "situational shyness" という言葉が私の興味をひきました。特定の状況に限って、シャイになってしまうということらしいです。こうした面は、多かれ少なかれ誰にでもあることだろうと思います。ですが、特定の状況になると、シャイになるどころか緘黙してしまう、緘動してしまうというのはやはり極端に思えます。

記事はインターネットで無料で読むことができます。英語が読めない方も、エキサイト翻訳Infoseek マルチ翻訳等を使えば、大意ぐらいは把握することができるかもしれません。

ところで、TPOにもよりますが、一般に人前で英字新聞を広げるのは注意した方がいいです。「イヤミな奴」という悪印象を与えかねません。「この前英字新聞読んでたら、こんなことが書いてあったよ」などと言うのも同様です。

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場面緘黙症のビデオを作りました 

場面緘黙症ビデオ・SMJ制作

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場面緘黙症(選択性緘黙)

↑ 場面緘黙症の動画を個人で作りました。リンクをクリックすると、YouTube という動画サイトに移ります。

英語圏では、場面緘黙症の動画を個人で制作し、YouTube に公開している人が何人かいます。英語圏では日本のような緘黙ブログがないのに、動画投稿ならある…ネット文化の違いを感じます。

しかし、私が作ったものは、気づいてみたら個人制作動画というよりはむしろ、何かの団体が作った啓発動画のようになってしまいました。例えば自分の過去の写真を動画に使って、場面緘黙症人生を振り返るとか、そういうかたちにすればよかったようにも思います(スキャナがないので、写真を取り込めないのですが…)。

YouTube に公開されている動画は、ブログなどに埋め込むことができるようです。もしご希望の方がいらっしゃれば、ご自由にどうぞ。リンクもフリーです。埋め込みもリンクも、事前事後の許可連絡の類は不要です。

http://smjournal.com/video.html
↑ 埋め込みの例。

ここはこう変えたほうがいいんじゃないかとか、ご意見・ご感想も受け付けております。

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[修正]

11/24/2007
画像の問題でいったん削除した場面緘黙症の動画ですが、復活しました。ある方のご好意により、新たな画像を使うことができました。ありがとうございました。

動画はYahoo!ビデオキャストでも公開しています。
http://videocast.yahoo.co.jp/video/detail/?vid=288230376151941566

11/14/2007
動画の公開を中止

06/30/2007 14:30
「緘黙の子を見かけたら」→「かんもくの子を見かけたら」
アドレスも変更されていますので、ご注意ください。

07/03/2007 13:40
字幕を見やすくするため、画像の明度を変えました。アドレスも変更されていますので、ご注意ください。画像の修正には、ははさんにご協力をいただきました。ははさん、ありがとうございました!

07/06/2007
Yahoo!ビデオキャストにも公開。
場面緘黙症(選択性緘黙)
Google Video にも公開。
場面緘黙症(選択性緘黙)