もう一人の緘黙研究者 

場面緘黙症を日本で研究した人というと、なんといっても『場面緘黙児の心理と指導』の河井芳文氏が有名です。

しかし、緘黙に注目した研究者は、河井氏だけではありませんでした。

あまり知られていませんが、河井氏と同じ頃、80年代後半に、緘黙についての著作を3冊も残した研究者がいたのです。その著作は読売新聞やNHK等で取り上げられ、反響を呼びました。今回は、岩手で緘黙を研究した山本実氏についてお話します。

* * * * * * * * * *

山本氏は、岩手大学教育学部に所属されていました。80年代後半に、 『緘黙症・いじめ−正子の場合』(1986)、『「緘黙」への挑戦』(1988)、『「学校かん黙」事典』(1989)の3冊を出版されています。

山本氏の著作は現在新刊として発売されている様子がなく、残念ながら、入手が困難なようです。私も持っていません。

これらの貴重な著作を、かんもくネット代表のけいこさんが持っていらっしゃいます(購入されたり、図書館で借りられたりしたそうです)。これらの本についての貴重な情報を、けいこさんは、場面緘黙症Journalで取り上げることを前提に提供してくださいました。その情報をここで掲載します。今回の記事は、けいこさんの多大なご協力がなければ成り立ちませんでした。本当にありがとうございます!

※ 以下の文章はけいこさんが書かれたものですが、許可をいただいて編集しています。

■ 「緘黙症・いじめ−正子の場合」(1986)

「緘黙症・いじめ−正子の場合」は、偶然の出会いで生まれた本で、山本実先生が、盛岡でNHK「青年の主張」を飛び入りで聴いたところ、短大生(20才)だった正子さんが緘黙の克服について、語っていたそうです。発表後、先生の方から正子さんと正子さんの両親(共に学校教諭)に了解を取り、研究室で、録音テープを回しながら、4ヶ月9回(のべ70時間)インタビューし、それをまとめて、第1部としています。第2部は、同僚であった中山文雄先生が学問的に考察されています。

インタビューは彼女は経験者として、教師や保護者、緘黙児に向けてアドバイスするところもあるのですが、 Knet配付資料の取り組みととても似ていることが語られています。中山文雄先生の考察も、共通部分が大きいです。

続きを読む

緘黙検定 

「緘黙検定」を作ってみました。場面緘黙症に関する知識を問う検定です。難易度は高いのか低いのか、自分でもよく分かりません。

あくまで「けんてーごっこ」ですので、堅く考える必要はありません。私も本物の検定を作ることができるほど、偉いわけではありませんので。(>_<)

すでに1人受験者がいますが、これは私のテスト受験です。

なお、この検定は、ブログやホームページに貼り付けることができるようです。もし貼りたいという方がいらっしゃれば、ご自由にどうぞ(事前事後の許可は不要です)。



人気blogランキング、応援よろしくお願いします!
⇒ 人気blogランキングへ

※ 人気blogランキングについて
http://smjournal.com/ranking.html

↓ 下のページでは、解答と解説を掲載しています。環境によっては、解説ページに移らないことがあるようなので。

続きを読む

『児童心理』という雑誌 

児童心理 2007年 05月号 [雑誌]『児童心理』は、場面緘黙症の記事がよく掲載される国内雑誌の一つです(といっても、数年に1度ぐらいしか載りませんが)。

2004年7月には、『場面緘黙児の心理と指導』でお馴染みの河井英子氏が「言葉を出しにくい子--吃音・緘黙など」と題し、緘黙について数ページでまとめています。

2007年5月号(今月号)では、長谷川明子氏の「学校でしゃべれない――場面かん黙」が掲載されたそうです。おそらくこれも数ページの内容ではないかと思います。

この雑誌は金子書房のサイトなどインターネットで注文できるほか、大きな書店に置いてあることもあります。バックナンバーもネットや一部の書店で買うことができます。バックナンバーの情報は、国立情報学研究所の CiNii で「児童心理 緘黙」「児童心理 かん黙」などと検索すると、得られます。

※ せっかく今日、『児童心理』が置いてある本屋に行ったのに、今月号のチェックを忘れてた富重でした。(>_<)

↓ クリックしていただけると喜びます。
人気blogランキングへ

扁桃体−引っ込み思案は生まれつき? 

Three Seductive Ideas最近アクセス数が急に増えていて、驚いています。

閑話休題。米国の非営利団体「場面緘黙症グループ小児期不安ネットワーク(SMG〜CAN)」のウェブサイトは、場面緘黙症の原因を考える上で、「扁桃体(アミグダラ)」に注目しています(詳しくは、拙サイトで配布中の資料9をご覧下さい)。

扁桃体は脳の部位の一つです。抑制的な人は、扁桃体が過剰に活動しているのではないかという説を聞きます。そして、"inhibited infants" という、赤ん坊にして抑制的な、扁桃体の活動に違いが見られる子がいると聞きます。

とはいえ、この扁桃体研究の出所が分かりません。いったいどんな学者の研究によるものなのでしょうか。どんな学術雑誌に掲載されたのでしょうか。

そこで、調べてみました。捜査線上に、発達心理学の大物の名前が浮かんできました(刑事ドラマみたいな言い方だ)。

続きを読む