「場面緘黙」と検索しても1件しかヒットしない時代があった

2015年08月12日(水曜日)

アイキャッチ画像。

緘黙の認知拡大に、インターネットが一定の役割


「テレビ番組で場面緘黙症を知った」「マンガで緘黙を知った」

最近、テレビ番組や人気マンガなどで緘黙が取り上げられる機会が増えているように思います。ですが、緘黙が取り上げられるに至った経緯をよく調べてみると分かるのですが、これにはインターネット上で緘黙について情報発信などをしている人たちの言動が関係していることがあります。

また、日本最大の緘黙支援団体「かんもくネット」は、緘黙についての啓発活動を行い実績を積み重ねていますが、この団体はインターネット上の交流から生まれたものです(かんもくネットさんは、場面緘黙症Journal 掲示板での情報交換がきっかけで誕生した団体だとおっしゃってくださっています)。

このように、緘黙の認知拡大には、インターネット上での緘黙の当事者、経験者、保護者らの情報発信ややりとりが、一定の役割を果たしてきました。他のアジア諸国と比べると、日本のネット上での緘黙コミュニティの発展度合いは群を抜いています。

そのインターネットの緘黙コミュニティの起源をたどると


ところで、こうしたネット上の緘黙コミュニティの起源をたどると、2000年頃から発展した「ココロのひろば」などの、個人の緘黙ホームページの時代にまで遡ります。インターネットで「場面緘黙」と検索しても1件しかヒットしなかったという時期に、緘黙の個人ホームページが立ち上がっていきました。

この頃あたりから、インターネットで緘黙が話題になり始めます。そして、「ネットで緘黙を知った」という声が聞かれるようになっていき、その輪が広がりを見せていきます。私もこの頃に「ココロのひろば」が提供するウェブリング「緘黙の輪」に登録されていたサイトを偶然訪問したことから緘黙を知り、後に、こうしたサイトに影響されて「場面緘黙症Journal」を開設しました。

今日のネット上での緘黙コミュニティの発展の全てが、この個人ホームページ時代から続く流れのものとまでは言えないかも知れませんが、後の緘黙コミュニティの発展に与えた影響は少なくないはずです。

あまり顧みられない初期の緘黙ホームページ


ところが、こうした初期の緘黙ホームページの時代を語る人は、現在ほとんどいません。世代が代わったのかもしれませんが、少し残念です。今日の緘黙の認知拡大は、こういった初期の個人ホームページの時代を無視して考えることはできないと私は考えるからです。

といっても別に、初期の緘黙ホームページ開設者の功績を称えて銅像を建てろとか、そんな大仰なことを言うつもりはありませんが、もう少し顧みられてもいいような気がします。そういうわけで、毎年夏、歴史を思い起こす機会が多いこの時期に、意識的に緘黙サイトの歴史について語ることにしています。

関連リンク


↓ 「ココロのひろば」より。インターネットで「場面緘黙」と検索しても1件しかヒットしなかった頃に、サイトを立ち上げたことが書かれてあります。緘黙の啓発を考えている方には、ぜひ読んでいただきたいです。

◇ あとがき (新しいウィンドウで開く

「緘黙ブログ元年」から、今年で10年

2015年04月13日(月曜日)

アイキャッチ画像。桜の人物素材は余るほどあるので、積極的に使ってます。
日本で初めて場面緘黙症を主題としたブログができてから、気付いたら10年を超えていました。そこで、ここで緘黙ブログの歴史を振り返ってみたいと思います。といっても、この10年超を全部振り返るとかなりの長文になりそうなので、緘黙ブログ黎明期を中心に取り上げるにとどめます。

ブログ以前の時代


緘黙サイト黎明期の2000年代初め頃には、まだ日本にはブログは広まっておらず、個人の情報発信は「ホームページ」が主流でした。

緘黙についても、個人の「ホームページ」を通じて情報発信や交流が行なわれていました。ただし、緘黙を扱ったホームページには、「日記」や「Diary」と称する Web日記が定番のコンテンツの一つとしてありました。これは現在のブログに近いもので、後にブログに移行した Web日記もあります。

日本初の緘黙ブログ開設は、2004年かそれ以前


ブログが登場するのは、その何年か後のことです。私は以前、日本でブログによる緘黙の情報発信が始まったのは2005年後半頃と書いたことがあるのですが、最近の私の調べで、少なくとも2004年にまで遡ることが分かりました。

具体的には、当時の「楽天広場」のブログ化に伴いブログ化したと思われる「スマママ(^_-)-☆のぐ~たら気侭日記」と、同じく楽天広場内に開設された「のひめの宝物」が、2004年の開設です(いいのかな、名前出して)。「スマママ」さんの方が時期が早そうなのですが、はっきりしたことは分かりません。

↓ いずれも既に閉鎖しており、現在アクセスできません。
○ スマママ(^_-)-☆のぐ~たら気侭日記 (新しいウィンドウで開く
○ のひめの宝物 (新しいウィンドウで開く

「緘黙を主題としたブログ」と、「緘黙が主題ではないが緘黙に関する内容を含んだブログ」の線引きは難しいですが、私が後者と判断したブログとしては、「ねむい、ねむいんだ」「だいなしブログ」(現存)などがありました。また、緘黙や社交不安障害などを扱ったコミュニティサイト「ほほえむ」の中にもブログがありました。他にも未確認のブログがあるかもしれません。

[追記(2015年4月15日)]

drecom_moon_dorakoのブログ」「新世界で一番遠い場所


[再追記(2015年5月19日)]

ちょびのかんもく日記」(現・「コミュニケーションの問題周辺―アスペルガー・緘黙症―」)

2004年7月25日に開設された保護者によるブログで、「ZITUKOのおへや」内のコンテンツでした。現在のブログは、別の方によるもののようです。追記を重ねましたが、2004年には既に、緘黙に関するブログは結構あったようですね。「緘黙ブログ元年」は2014年にしてもよいように思えてきました。


ただ、この時はまだ緘黙ブログの開設は限られた一部の動きで、大きな流れにまではなっていませんでした。なお、この2004年は、このブログでもお馴染みの FC2 ほか各社のブログサービスが出揃った年で、「ブログ元年」と言う人もいます(「ブログ元年」は2003年や2005年という説もあります)。

2005年後半に、緘黙ブログの開設ラッシュ


2005年後半には緘黙ブログの開設ラッシュが起こり、大きな流れになります。日本における「緘黙ブログ元年」は、実質的にはこの年ではないかと思います。2005年といえば、新語・流行語大賞のトップテンに「ブログ」が選ばれたり、「ブログの女王」と呼ばれたタレント・眞鍋かをりさんが紅白歌合戦の審査員に選ばれたりと、ブログの認知が広まった年です。

以下は、2005年に開設された緘黙ブログのうち、私が確認したものです。分かる範囲で開設順に並べてあります。全て2005年後半に開設されたもので、前半に開設されたブログは見つかりませんでした。なお、※は、現在アクセスできません。

○ アニマルセラピーやってます♪ (新しいウィンドウで開く
○ 場面緘黙症専用ブログ (新しいウィンドウで開く
○ ほんとうは暖かい光が好き (新しいウィンドウで開く
○ 喋らない子供~選択的無言症~ (新しいウィンドウで開く)※
○ ココロノドア (新しいウィンドウで開く
○ 発展途上母の育母日記 (新しいウィンドウで開く)※
○ 緘黙のむこうに (新しいウィンドウで開く
○ fu・wa・ri (新しいウィンドウで開く
○ 緘黙の話 (新しいウィンドウで開く





緘黙サイトの黎明期は?2000年頃の状況

2014年08月19日(火曜日)

アイキャッチ画像。宮古島。写真素材サイト PAKUTASO より。

2000年頃の緘黙ホームページ


現在の緘黙サイトがほとんど存在しなかった2000年の終わり頃、緘黙を主題とした国内のホームページ、ないし緘黙が重要なテーマの一つだったホームページが、私が見つけただけでも9つあったことが独自の調査で分かりました。

この 99~00年あたりが、緘黙サイトの黎明期ではないかと思います。9つのホームページのうち、正確な開設年が分かったのは5つで、そのうち3つは00年の開設、2つは99年の開設でした。開設年が分からなかった残り4つのホームページのうち1つも、00年開設とみられました。この中には「フユー」(99年開設)、「ココロのひろば」(00年開設)、「ほほえむ」(00年開設)など、緘黙サイトの歴史を形作ることになる重要なホームページがありました。

当時から既に、緘黙の当事者が作ったホームページと、保護者が作ったホームページの2通りがありました。なお、当時は個人の「ホームページ」の時代で、ブログや mixi、Twitter や Facebook などはまだありませんでした。

当時のホームページで現存するのは「ココロのひろば」と「フユー」のみですが、いずれも更新停止状態にあります。なお、この「ココロのひろば」と「フユー」の管理人さんは、現在このホームページとは別にブログ「願えば叶う☆」「猫が屋根からこんにちは」をそれぞれ運営されています。

◇ ココロのひろば新しいウィンドウで開く
◇ フユー新しいウィンドウで開く

また、「風来る」も、ホームページ移転のお知らせのみですが残っています。

◇ 風来る新しいウィンドウで開く

Yahoo!掲示板トピック、Lycos Japan カテゴリにも緘黙があった


個人のホームページとは別に、2000年11月13日には Yahoo!掲示板に「緘黙症」のトピックが立ち上がり、2000年中では1日平均1件近い投稿がなされ賑わいました。このトピックは、その続編トピック「緘黙症(再)」と合わせると少なくとも2003年10月6日までには続き、総投稿数は1,700件以上に上りました。

↓ そのアドレスです。現在アクセスしても「お探しのページは見つかりません」となります。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=l&board=1834887&tid=ehldbbei&sid=1834887&mid=1

その少し前(日時不明)には Lycos Japan に「緘黙症」カテゴリができています。このカテゴリですが、Way Back Machine で遡れる最も古い2001年3月9日現在で、既に7つのホームページが登録されていました。

↓ そのアドレスです。やはり現在アクセスできません。
http://dir.lycos.co.jp/medical_health/disease/child_disease/selective_mutism/