ドイツの緘黙の本読んでます

前々からドイツの緘黙の本を読んでみたいと思っていました。
緘黙症の研究はアメリカや日本よりも、ドイツの方が実は歴史があります。ドイツには緘黙症のしっかりした支援団体があり、緘黙症を扱った本も多く出版されています(場面緘黙症Journal 関連書籍・ドイツ語編参照)。他の国にはないノウハウの蓄積があるかもしれません。
そこで先日、Mutismus im Kindes-, Jugend- und Erwachsenenalter(『子ども、青年、大人の緘黙症』)という本を買いました。いま一生懸命読んでいるところです。
どうしてこの本を買ったのかというと、
1 値段が手ごろだったから
2 ページ数が少なく、最初に読むドイツ語の本としては良さそうだったから
3 大人の緘黙症について取り上げられているから
です。
* * * * * * * * * *
本は64ページの薄い本です(右の写真を見てください!この薄さ!)。このページ数でこの値段というのは、難しいものです。
内容は、緘黙症(場面緘黙症、全緘黙症)全般について基礎的な知識をまとめたもののようです。写真やイラストがところどころに挿入されていて、読みやすくできています。
共著者のお一人、Boris Hartmann 氏は、ドイツでは緘黙症の研究、治療で大きな実績を上げている方です。多くの論文を発表されている他、この本以外にも著書があります。
共著者のもうお一人、Michael Lange さんは、10歳から37歳まで場面緘黙症で、今もなお発話を必要とする状況を避けているという意味のことが書かれてあり、びっくりしました。私はこの方から、英語ブログを通じて、メールをいただいたことがあります。
実を言うと、私はドイツ語はさっぱりです。日本語と、かろうじて英語を少し読むことができる程度です。そこで、インターネット上の機械翻訳 Babel Fish や livedoor 翻訳、Infoseek マルチ翻訳等を使って、ドイツ語を英語、日本語に訳して読んでいます。苦肉の策ですが、そこまでしてでも読みたいのです!
まだ読んでいる途中ですが、気づいたことがあればまた何か書きます。
- [2008/08/16 18:05]
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十亀史郎『自閉症児・緘黙児』
今回の話題は、十亀史郎著、『講座情緒障害児3 自閉症児・緘黙児』、黎明書房、1973年 です。
30年以上前の古い本ですが、「緘黙」という言葉を冠した数少ない本の一つで、名前だけなら聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。私の近辺の自治体図書館には、場面緘黙症については唯一この本のみを所蔵しているところもあります。
ただ、場面緘黙症について学びたいのであれば、もっと新しい本を読んだほうがよいのではないかと私は思います。
■ 内容
この本は209ページあり、そのうち158〜209ページが「緘黙症」の内容です。緘黙症について触れたものとしてはページ数はなかなか多いですが、1ページあたりの文字数は少し少なめです。それ以外のページは主に「自閉症」の内容ですが、ここではそれについては書きません。
「緘黙症」については、6つの節で論じられており、その内容は、研究史、緘黙症の分類、学校拒否(恐怖)症候、選択緘黙の分類、治療、おわりに、です。緘黙症の概念の整理や形成要因、心理機制の論述にやや紙幅が割かれていますが、これは、この時代に力を入れて研究されていた分野でもあります。
この本を監修した内山喜久雄氏は、1959〜1960年にかけて、場面緘黙症に関する重要な論文を残しています(「内山喜久雄の緘黙症研究」参照)。
■ 考察
著者の十亀氏は、学校緘黙を「学校拒否(恐怖)症候」という独自の枠の中でとらえたり、選択緘黙の独特の分類を行ったりしています。とても野心的でユニークですが、このため、かえって場面緘黙症について初めて読む本としてはおすすめできません。特に、場面緘黙症の原因に親や祖父母の養育態度を挙げる学説を支持できない方には、そうです。
場面緘黙症に強い関心を持つ方で、最近の場面緘黙症に関する本もだいたい読んだ、さらに昔の先行研究にも目を通しておきたいという方であれば、読んでみてもよいとは思います。
◇ 海外の研究動向なんて、そんなの関係ない?
最後に、方法論のことで一つ。十亀氏は、冒頭で諸外国の緘黙症の研究史を紹介しながらも、次のように述べています。
しかしながら、諸外国での緘黙症に関する研究については学校恐怖症と同じく、特にその社会の文化的背景の相違が症状形成に関連を有すると考えざるをえない以上、一応の参考として評価するにとめておきたい。
こうして、この後は諸外国の研究動向については触れず、日本に限った緘黙症の論述が進みます。
- [2008/05/13 20:19]
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『場面緘黙Q&A』
3月に発売された本『場面緘黙Q&A』が、私の手元にも届きました。
この本に関して、感想というかたちで書きたいことが山ほどあるのですが、提灯記事のようになるのは嫌なので、控えておきます。
ここでは、一つ裏話をします。
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この本には、場面緘黙症Journal から引用された内容が何箇所か含まれています。
引用については、本の制作過程で、本を編集されていた方から事前にご連絡をいただきました。当初は、「私のサイトから引用なんてやめてくれ!恥ずかしい! (>_<) 」と考え、お断りしようと思いました。
ですが、よくよく考えてみると、インターネットの場とはいえ、公開したものを引用されるのを断るのはおかしな話かもしれないと考え、了承したのでした。引用は無断でされても少なくとも法律上は文句は言えませんし、引用されるのが嫌なら最初から自分が書いたものをネット上に公開しなければよいのです。
それにしても、本の中に文章を採用された方、みなさん文才でいらっしゃる。私も英語の勉強もいいですが、日本語力をもっと鍛えなければ、と感じました。
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- [2008/04/05 20:40]
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緘黙の子の写真ドキュメント『りかちゃんがわらった』
ずいぶん前に、ある方から、場面緘黙症の子どもの写真ドキュメントがあるという情報をいただきました。
かつて小学校教諭だった鹿島和夫氏が書いた『ひびきあうこどもたち〈1〉りかちゃんがわらった』という本です。
その本を今日、図書館で読んできました。感想を書きたいと思います。
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この本では、小学校1年の「学校緘黙児」、りかちゃんの場面緘黙症が治るまでが書かれています。
しかし、遊戯療法や行動療法に通じた専門家が話の中で登場するわけではありません。また、『場面緘黙Q&A』や『場面緘黙児への支援』のような本を熟読し、スモールステップで場面緘黙症を治そうとするお母さんが出てくるわけでもありません。
りかちゃんの場面緘黙症を治したのは、りかちゃんのクラスメイトたちでした。学校で話をしない、牛乳も飲もうとしないりかちゃんが、みんなと同じように学校でのびのびと過ごせるようになるにはどうすればよいか話し合い、りかちゃんに色々と手助けをしたのです。そうした経過の中で、りかちゃんの場面緘黙症が少しずつ治っていったのでした。
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小学校は勉強の場です。国語、算数、生活などの教科の勉強はもちろんですが、学校生活の経験一つ一つが勉強でもあります。場面緘黙症の子との出会いと関わりも、児童たちにとっては一つの勉強なのだと考えさせられました。こうしたことを考えさせられたのは、この本が児童精神医学や教育心理学の専門家ではなく、教育者の視点から書かれたものだったからでしょう。
クラスメイトたちがりかちゃんの問題を自分たちで考え、りかちゃんを手助けし、場面緘黙症を治したのは、一つの美談と言えます。
ただ、場面緘黙症はやはり、クラスの子どもたちに考えさせるだけではなく、教師や保護者が関わったり、専門家に相談したり、治療を受けさせたりするのが望ましいのではないかと思います。子どもたちに考えさせるとしても、それを見守る教師が場面緘黙症について正しい知識を持っていることが大前提でしょう。物語では書かれていませんが、おそらくりかちゃんの担任の先生(著者)も、陰で場面緘黙症のことを勉強していたでしょうし、もしかしたら専門家に何らかの相談をしていたのかもしれません。
なお、この写真ドキュメントは、小学生向けで、子どもでも読むことができます。子どもに読んで聞かせるのもよいと思います。
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- [2008/03/20 21:02]
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