情緒障害児短期治療施設 

場面緘黙症の子どもたちを支援する機関には、ことばの教室、児童相談所、教育センター、情緒障害児短期治療施設(児童心理療育施設)などがあります。

このうち、情緒障害児短期治療施設(以下、「情短施設」と略します)については、場面緘黙症Journal 掲示板で話題になったことがないようなので(もしあったら、ゴメンナサイ…)、簡単にまとめてみます。

■ 情緒障害児短期治療施設とは

情短施設は、児童福祉法に基づく児童福祉施設で、次のように規定されています(児童福祉法第43条の5)。

情緒障害児短期治療施設は、軽度の情緒障害を有する児童を、短期間、入所させ、又は保護者の下から通わせて、その情緒障害を治し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。

情短施設施設の対象とする児童は場面緘黙症の子だけではなく、被虐待児や不登校児、軽度発達障害児なども含まれています。特に近年は被虐待児の増加が顕著で、その割合も多く、2006年では入所児の68.3%を占めています(独立行政法人福祉医療機構, 2008)。

そのほか情短施設の概要については、独立行政法人福祉医療機構ウェブサイト「WAM NET」内の資料「情緒障害児短期治療施設の概要」がうまくまとめていますので、リンクを張っておきます。情短施設のリストも掲載されているので、お近くの都道府県の施設が分かります。

「情緒障害児短期治療施設の概要」(pdf 309KB)

上の資料について、少し補足を。資料では、平成16年10月1日現在、施設の数は25箇所、定員は1,209人、入所者数は910人と記されていますが、その後、施設の数は増加しています。平成18年10月1日現在では、施設数31箇所、定員1,486人、入所者数1,131人になっています(厚生労働省a, 2008)。さらに、厚生労働省は、「子ども・子育て応援プラン」の中で、情短施設の「全都道府県での設置を目指す」としており(厚生労働省b, 2008)、その後も数は増加しているかもしれません。

なお、場面緘黙症の子どもは、何も全員が情短施設に入らなければならないというわけではもちろんありません。あくまで、このような施設もあるよ、というお話です。

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[文献]

◇ 独立行政法人福祉医療機構 WAM NET: 「今後目指すべき児童の社会的養護体制に関する構想検討会」ヒアリング 情緒障害児短期治療施設から.
Retrieved June 19, 2008 from
http://www2.wam.go.jp/wamappl/bb16GS70.nsf/0/
97c71579607b55e74925729800053b05/$FILE/20080308_2shiryou3_2.pdf
◇ 厚生労働省a 厚生労働省ホームページ: 平成18年 社会福祉施設等調査結果の概況.
Retrieved June 19, 2008 from
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/fukushi/06/toukei1.html
◇ 厚生労働省b 厚生労働省ホームページ: 第16回社会保障審議会資料.
Retrieved June 19, 2008 from
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/02/s0209-8h.html

イギリスの緘黙症研究(1981) 

このブログでは、場面緘黙症の論文を取り上げています。私は専門家ではなく、自信もないのですが、自分自身の勉強も兼ねて。

今回の論文はこれです。

Kolvin, I., and Fundudis, T. (1981). Elective mute children: Psychological development and background factors. Journal of child psychology and psychiatry, and allied disciplines, 22(3), 219-232.

1981年に発表された少し古い文献ですが、例によって、今日に至るまで頻繁に引用されてきたいわば定番文献ですので、扱うことにします。

■ 概要

場面緘黙症児24人、一般の子ども100人、言語発達遅滞児82人を集め、場面緘黙症の生物学的要因や社会的家族的背景について幅広く調査しています。例えば生物学的要因については、場面緘黙症児の性別、家族の規模と出生順位、周産期合併症、初めて歩行と発話をしたときの年齢、お漏らし、言語聴覚の機能障害、身体的異常、発症年齢と性格、社会的関係と行動、IQについて調査を行っています。また、追跡調査も実施し、その結果についてもまとめています。

■ 考察

気づいたことをいろいろ書きます。

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日本の緘黙論文、英語圏に比べて、少なくはない? 

学術雑誌に掲載されている場面緘黙症の論文に関して言うと、日本語圏の論文の数は、英語圏のものと比べて、それほど少ないわけではないのではないかと、最近考えるようになりました。

■ 日本語圏の学術論文の数

まず、日本語圏の学術論文の数を調べてみましょう。

◇ CiNii に載っているもの、載っていないもの

国立情報学研究所が提供するサービス CiNii で「緘黙」「かん黙」と検索すると、それぞれ 163件、8件の文献がヒットします。

しかし、これら171件が全てアカデミックな論文というわけではありません。学会発表の抄録や、『児童心理』のような、やや学術色が薄い読み物も含まれています。これらを除くと、CiNii で見つけることのできる学術論文は、大ざっぱな数字ですが、85件ぐらいです。

このほか、CiNii に載っていない論文もあります。それについては、私が独自に調査し、場面緘黙症Journal の「論文情報」の中で公開してきました。調査はまだ完全ではありませんが、これ以上調べても新たな論文はなかなか見つからないので、かなりの部分は揃えてあるのではないかと思います。この中で公開した111件のうち、学術論文は、およそ100件です。

◇ 185件程度

このように、私が確認した日本語圏の場面緘黙症の学術論文は、ざっと 85 + 100 で、185件程度です。

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[緘黙] 家に先生が来た! [ストーリー] 

緘黙ストーリー、中学生編の第6回です。通算第33話をお届けします。今回は、家庭のことを書こうと思います。

■ 家庭訪問

学校では緘黙してしまうけれども、家ではリラックスして声を出すことができた私でした。それでは、家に学校の先生が訪れた場合、私はどうなってしまったのでしょうか?

そう、あの「家庭訪問」の日が、やってきたのです!家という私にとっての安全地帯に先生が来られるわけですから、その日が来る前から気が気でありませんでした。

家庭訪問当日、先生がいらっしゃる時間帯には、家には私を除いて誰もいませんでした。母親も仕事で不在でした。私は先生が来られる前に、家の中(特に自分の部屋)をきれいに掃除、整理整とんし、わざとらしく勉強しながら先生を待っていました。

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